◎ペトロ氏は独裁者マドゥロ大統領の当選を支持しているように見えたが、これを撤回した。
南米コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領が18日、友好関係にあるベネズエラで7月末に行われた大統領の結果を「間違い」と指摘した。
ペトロ氏はブラジル・TVグローボのインタビューで、「ベネズエラ政府が大統領選を行うことに賛成したが、その結果は自由でも公正でもなかった」と語った。
このインタビューはコロンビア大統領府が19日に一部を抜粋して公開した。
ペトロ氏は独裁者マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の当選を支持しているように見えたが、これを撤回したのである。
マドゥロ氏の支配下に置かれる選管は7月28日に行われた大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。
しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、野党候補のゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。
米国を含む数カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。
しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。
この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。
ペトロ氏は18日、G20サミットでブラジル・リオを訪問していた際、取材に応じた。「あの選挙結果は間違いだと思う...」
コロンビア大統領府はペトロ氏が心変わりした理由を明らかにしていない。
ペトロ氏、G20の輪番議長国であるブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領、メキシコのオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)前大統領は仲裁に乗り出したものの、マドゥロ氏を説得することはできなかった。
米政府は19日、ゴンザレス氏がベネズエラの次期大統領であると正式に認定した。
マドゥロ氏は25年1月10日に宣誓する予定だ。