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中南米各地で聖週間を祝う儀式、数十万人が参加、信仰捧げる


聖週間はイエス・キリストがエルサレムに入城し、十字架で処刑されてから復活するまでの受難を記念する、キリスト教の復活祭(イースター)前の1週間である。
2026年4月3日/ボリビア、首都ラパス、聖週間を祝う人々(AP通信)

中南米各地で3日、聖週間(ホーリーウィーク)のクライマックスにあたる聖金曜日を迎え、カトリック信者たちが街頭に繰り出し、キリストの受難を追体験する伝統行事が行われた。宗教的情熱と地域文化が融合したこれらの儀式は、信仰の深さを示すと同時に、社会に根付いた宗教的アイデンティティの強さを浮き彫りにしている。

聖週間はイエス・キリストがエルサレムに入城し、十字架で処刑されてから復活するまでの受難を記念する、キリスト教の復活祭(イースター)前の1週間である。

グアテマラ南部アンティグアでは紫や白の衣装に身を包んだ「ククルチョ」と呼ばれる参加者たちが石畳の街路を練り歩いた。参加者たちは何世紀も前に作られたキリスト像を担ぎ、火山に囲まれた街を背景に厳かな行進を続けた。幼い頃からこの行事に参加してきた女性はAP通信の取材に対し、その体験を言葉では表せないほど感動的だと語り、信仰が世代を超えて受け継がれていることを示した。

ボリビアではパス(Rodrigo Paz)大統領が行事に参加し、政教分離を重視してきた近年の慣例を破った。首都ラパスでは政府関係者や軍楽隊も加わり、頭巾をかぶった悔悛者たちが聖なる棺を担ぐ行列が街を進んだ。こうした動きは宗教と政治の距離感に変化が生じている可能性を示唆するものとして注目されている。

エクアドルの最大都市グアヤキルでは約50万人が行進に参加した。裸足で歩く者やいばらの冠をかぶり十字架を引きずる者など、身体的苦行を通じて信仰を表現する姿が見られた。首都キトでも15万人以上が参加し、祈りと聖歌が歴史地区に響き渡った。こうした行為はキリストの受難を身体的に追体験することで信仰を深めるという伝統的実践に基づいている。

隣国コロンビアの首都ボゴタ近郊には数万人が集まり、山頂の教会でミサに参加した。標高3000メートルを超える巡礼は肉体的にも過酷だが、多くの信者にとっては精神的浄化の意味を持つ。また国内各地でも「十字架の道」の再現が行われ、信者たちがキリストの最期の歩みを追体験した。

中南米では近年、カトリック信者の割合が減少傾向にあるものの、依然として最大の宗教である。メキシコやペルー、アルゼンチンなどでは成人の6割以上がカトリックを自認し、聖週間の行事は宗教行為であると同時に文化的イベントとしても重要な位置を占めている。

聖金曜日はイエス・キリストの磔刑と死を記念する日で、復活祭へと至る信仰の核心をなす。中南米の各地で見られる壮大な行列や再現劇は単なる宗教儀礼にとどまらず、歴史、共同体、そして個人の信仰が交差する場として機能している。都市の街路が信仰の舞台へと変わるこの日、参加者たちは過去から受け継がれた伝統を体現しながら、現代における宗教の意味を問い続けている。

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