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ペルー・カスティジョ元大統領、反乱罪で実刑判決、元首相も

カスティジョ氏は2022年12月、議会を一時的に解散し、「特別緊急政府」を設置するとテレビ演説で発表した。
2025年11月27日/ペルー、首都リマ、国家反逆罪などの罪に問われているカスティジョ元大統領(AP通信)

ペルーの裁判所は27日、反乱などの罪に問われているカスティジョ(Pedro Castillo)元大統領に対し、懲役11年5カ月の実刑判決を言い渡した。

同じく共謀罪で起訴されている当時の閣僚、チャベス(Betssy Chávez)元首相らにも同等の刑が言い渡された。

チャベス氏は現在、メキシコ大使館に身を寄せており、これを受けてペルー政府はメキシコとの国交を断絶した。

カスティジョ氏は2022年12月、議会を一時的に解散し、「特別緊急政府」を設置するとテレビ演説で発表した。

議会はこれを「クーデター」と糾弾。解散宣言を無視してカスティジョ氏の弾劾決議案を採決し、賛成多数で可決した。

カスティジョ氏は軍部の支持を得られず、その後、国家反逆罪などの罪で逮捕された。

カスティジョ氏は農村の教員出身で、政治経験は皆無だったが、2021年の大統領選で異例の当選を果たし、格差是正や社会的公正を掲げた。

しかし、任期中、政治的混乱と対立が続き、就任からわずか1年余りで退任に追い込まれた。

今回の判決は汚職や反乱といった理由で近年相次ぐ元大統領への司法処分の一環であり、26日にはビスカラ(Martín Vizcarra)元大統領が贈賄罪で禁錮14年の判決を受けたばかりである。

カスティジョ氏とチャベス氏側は控訴する意向を示しており、国内でも政治的緊張が続いている。今回の判決が国内政治に与える影響、そして今後実際にどのような流れになるかが注目される。

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