◎エクアドルの刑務所ではカルテル間抗争が後を絶たず、リトラル刑務所で2021年に発生した抗争では119人が死亡している。
南米エクアドル・グアヤキルのリトラル刑務所で受刑者同士の争いが起き、15人が死亡、14人が負傷した。警察が12日、明らかにした。
警察は刑務所内の派閥抗争が原因と説明しているが、それ以上の詳細は明らかにしていない。
エクアドルの刑務所ではカルテル間抗争が後を絶たず、リトラル刑務所で2021年に発生した抗争では119人が死亡している。
グアヤキルでは今年1月、世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」と同盟関係にある麻薬ギャング「ロス・チョネロス」のリーダー「マシアス(Adolfo Macías)受刑者」が刑務所から脱獄した。
ノボア(Daniel Noboa)大統領は国家非常事態を宣言し、陸軍と警察にマシアスを確保するよう命じたが、逮捕には至っていない。
地元テレビ局が報じた映像には、リトラル刑務所の正門前に家族の安否を案じる人たちが集まる中、警察の特殊部隊が敷地内に入っていく様子が映っていた。
来年の選挙で再選を目指すノボア氏は刑務所内の治安改善を最優先課題のひとつに掲げている。
カルテルやギャングとつながりのある受刑者は銃器、手りゅう弾、ナイフなどで武装し、ひどい時には看守にも攻撃を仕掛ける。
地元メディアによると、リトラル刑務所には10月末時点で定員の2倍にあたる約1万人の受刑者が収容されている。
検察庁は12日午後、この暴力事件に関連して、9人の受刑者を殺人罪で起訴する準備を進めていると明らかにした。