◎アルゼンチン軍とイギリス軍は1982年4月に衝突した。
2022年4月2日/アルゼンチン、ブエノスアイレス州ピラルの戦没者墓地、フォークランド紛争40周年を記念するイベント(Natacha Pisarenko/AP通信)

アルゼンチンのフェルナンデス大統領は2日、フォークランド紛争40周年記念式典で戦没者を追悼し、イギリス政府にフォークランド諸島を返還するよう求めた。

フェルナンデス大統領は退役軍人にメダルを授与する式典の中で、「マルビナス諸島は過去も現在も、そしてこれからもアルゼンチンの領土である」と述べた。

マルビナスはフォークランドのスペイン語名である。

またフェルナンデス大統領はイギリスに対し、これらの島々に対する不当かつ不釣り合いな軍事的プレゼンスを放棄するよう求めた。「イギリスは今すぐ、マルビナス諸島を返還しなければなりません...」

アルゼンチンの独裁者レオポルド・ガルチェリは1982年4月、自国の立場を強化するためにフォークランド諸島に侵攻し、イギリス軍と衝突した。当時、両国は同諸島の扱いに関する交渉を行っていた。

イギリスのサッチャー政権は島を防衛するために軍を派遣し、フォークランド諸島政府と共にアルゼンチン軍と戦った。ガルチェリ政権は同年6月に降伏し、1年後、軍事政権は崩壊した。

紛争により、649人のアルゼンチン人(多くが未熟な兵士や装備の整わない兵士)と英兵255人が死亡、数千人が負傷した。

アルゼンチン政府は2022年を「戦没者を称える年」とし、フォークランド諸島政府や赤十字社などと協力して、同地で死亡し埋葬された人々の遺骨を確認する作業を進めている。

アルゼンチンはイギリスが1833年以来、同諸島を不法に占拠していると主張している。

これに対しイギリス政府は、アルゼンチンは英国人のままでありたいと願う3,000人の住民の願いを無視していると反論し、フォークランドは植民地ではなく自治権を持つ海外領土であると主張している。

フォークランド政府は国の在り方を決める国民投票を2013年に行い、有権者の99.8%がイギリス領であり続けることを支持した。

2日の式典に他国の首脳は出席しなかったが、ボリビアのモラレス元大統領、パラグアイのルゴ元大統領、ウルグアイのムヒカ元大統領が顔を見せた。

首都ブエノスアイレスの英国大使館前ではデモ行進、1日の夜遅くには首都郊外のピラールで戦没者を称えるキャンドルナイトなど、全国各地で戦没者を称える式典やイベントが開催された。

国内ではイギリスの支配に対する恨みと、戦争を始めた独裁者に対する怒りが入り混じっている。

英国大使館前のデモに参加した活動家の女性は地元メディアに、「16、17、18歳の若者たちが資源も何もない状況で、世界の大国イギリスとの戦争に動員させられた」と語った。

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