◎エクアドルは南米で最も平和的な国のひとつであったが、近年暴力の波に圧倒されている。
エクアドルで21日、犯罪組織をより厳しく取り締まるために刑法を改正・強化するかどうかの是非を問う国民投票が行われた。
有権者に投げかけられた11の質問の大半は治安対策の強化に焦点を当てている。
ギャングとの闘いに軍隊を投入するか、裁判所の許可なく容疑者を逮捕できるようにするか、麻薬犯罪などの刑期を長くするか...
エクアドルは南米で最も平和的な国のひとつであったが、近年暴力の波に圧倒されている。
同国の昨年の殺人発生率は10万人あたり40人に達し、この地域で最も高くなった。
ノボア(Daniel Noboa)大統領はギャングと正面から対峙することで国民の支持を集めてきた。
1月には服役中のギャングリーダーの命令で覆面をした武装集団が生放送中のテレビ局を制圧するという前代未聞の事件も発生した。
さらに世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」と同盟関係にある麻薬ギャング「ロス・チョネロス」のリーダー「マシアス(Adolfo Macías)受刑者」が刑務所から脱獄。ノボア氏は国家非常事態を宣言し、陸軍と警察に容疑者を確保するよう命じた。
この非常事態令により、政府は軍隊を出動させ、国内でテロ組織に指定されている約20のギャングを取り締まっている。
今回の国民投票はこれらの権限を拡大し、取り締まりの強化を求めるものである。