◎政府の統計によると、エクアドルの2023年末時点の殺人発生率は人口10万人あたり40人。この地域で最も高い水準に達した。
エクアドルのギャング(Getty Images/AFP通信)

エクアドル南西部グアヤス州で殺人事件が急増し、引き取り手のない身元不明の遺体で溢れかえっている。

グアヤス州の州都グアヤキルの市当局は13日午後、「遺体安置所で発生した問題は解決した」と声明を出した。

しかし、地元テレビ局はグアヤキル中心部にある遺体安置所の収容率が100%を超え、冷蔵装置が故障し、近隣住民から悪臭の苦情が寄せられていると報じた。

地元メディアが報じた映像には、遺体安置所の職員が冷蔵コンテナから遺体を取り出し、コンテナの入り口に腐敗した液体を中和するための製品を吹きかけている様子が映っていた。

AP通信の取材に応じた近くの男性は、「数週間前からすごい臭いがするようになった」と語った。

政府は遺体安置所で保管している遺体の数を明らかにしていないが、安置所が満杯の時に使用するコンテナの冷蔵装置が故障したため、修理したという。

警察によると、グアヤス州で昨年暴力により死亡した人は3762人。警察がこの1週間で収容した遺体は40人、そのほぼ半数が身元不明である。

グアヤキルでは今年1月、世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」と同盟関係にある麻薬ギャング「ロス・チョネロス」のリーダー「マシアス(Adolfo Macías)受刑者」が刑務所から脱獄。ノボア(Daniel Noboa)大統領は国家非常事態を宣言し、陸軍と警察に容疑者を確保するよう命じた。

グアヤキルなどの殺人多発地帯では夜間外出禁止令が発令されている。

地元メディアによると、グアヤキルの治安はかつてないレベルまで悪化し、カルテルやギャングによる暴力が蔓延している。

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