エクアドルのプロサッカー選手が撃たれ死亡、代表経験も
同国のプロサッカークラブ「バルセロナSC」に所属するマリオ・ピネイダ(Mario Pineida、33歳)選手がグアヤキル北部の地区で何者かによる撃たれ、死亡が確認された。
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エクアドルのプロサッカー選手が何者かに撃たれ死亡した。現地メディアが17日に報じた。
国家警察によると、同国のプロサッカークラブ「バルセロナSC」に所属するマリオ・ピネイダ(Mario Pineida、33歳)選手がグアヤキル北部の地区で何者かによる撃たれ、死亡が確認されたという。
一緒に行動したとみられる人物も死亡、さらにもう1人が負傷した。それ以上の詳細は明らかになっておらず、逮捕者の情報もない。
内務省もピネイダ選手が亡くなったことを確認した。クラブは声明で、「マリオ・ピネイダが亡くなったと連絡を受け、途方に暮れている」と表明、ファンや関係者に衝撃と悲嘆が広がっている。
ピネイダ選手は2010年に地元の独立系クラブでキャリアをスタートさせ、2015年まで同クラブでプレーした後、2016年にバルセロナSCに移籍。国内リーグ優勝に貢献した。2022年にはブラジルでもプレーした経験があり、エクアドル代表としても2015年から2021年にかけて9試合に出場していた。
事件が起きたグアヤキルはエクアドルで最も人口の多い都市であり、麻薬カルテルやギャングが絡む犯罪が多発する地域でもある。
エクアドル国内における今年の殺人件数は1万件近くに達する見込み。警察のデータによると、2025年の殺人件数は11月末時点で9000件超、前年の7063件、2023年の8248件をすでに上回っている。内務省は国際的な麻薬カルテルが国内で勢力を拡大していることが暴力の一因と指摘している。
地元メディアによると、事件は商店街で発生し、ピネイダ選手と同行していた家族も銃撃を受けた可能性があると伝えられているが、公式確認には至っていない。
エクアドルでは近年、プロサッカー選手やその関係者が暴力事件に巻き込まれる事例が続いており、今回の事件は国内に深刻な不安と憂慮をもたらしている。昨年11月には16歳の若手選手が自宅で流れ弾に当たり死亡する事件も起きており、スポーツ界でも安全対策の強化が求められている。
ノボア(Daniel Noboa)大統領は組織犯罪との戦いを強化する姿勢を示し、暴力の根絶に向けた取り組みを進める意向を表明している。しかし、国内の治安情勢は依然として厳しく、一般市民や著名人を問わず暴力のリスクが高まっていることが改めて浮き彫りになった。
この事件を受け、サッカー界や地域社会からは選手やその家族の安全確保を求める声が強まっている。クラブ関係者やファンは突然の悲劇に哀悼の意を表し、ピネイダ選手の冥福を祈っている。
