エクアドル警察、サッカー選手殺害事件で容疑者2人逮捕
ピネイダ氏はレストランを出た直後、バイクに乗った2人組の男から銃撃を受けた。監視カメラの映像には1人がヘルメット、もう1人が帽子を着用してピネイダ氏らに向けて発砲する様子が記録されていた。
.jpg)
あ
エクアドル当局は19日、最大都市グアヤキルでプロサッカークラブ「バルセロナSC」に所属するマリオ・ピネイダ(Mario Pineida、33歳)選手を殺害した疑いで、容疑者2人を逮捕したと発表した。この事件は同国における暴力の激化を象徴する出来事となっている。
警察によると、逮捕されたのはクリスチャン・P.G.(Cristian P.G.)容疑者とジムネリ・P.B.(Jimnery P.B.)容疑者で、裁判所は逃亡の恐れがあるとして勾留を命じた。
当局は2人の本名と認否を明らかにしていない。
事件は17日午後、グアヤキル北部の地区で発生した。ピネイダ氏はレストランを出た直後、バイクに乗った2人組の男から銃撃を受けた。監視カメラの映像には1人がヘルメット、もう1人が帽子を着用してピネイダ氏らに向けて発砲する様子が記録されていた。
ピネイダ氏のパートナーの女性も銃撃を受け死亡、ピネイダ氏の母親が負傷したが、命に別条はないと伝えられている。
ピネイダ氏はエクアドル1部リーグの強豪バルセロナSCに所属するディフェンダー。エクアドル代表としてもプレー経験があり、2017年と2021年のコパ・アメリカに出場した実績を持つ。2026FIFAワールドカップの予選には参加していなかった。国内外のクラブやファンは彼の突然の死を悼んだ。
事件を受けてエクアドル社会では治安悪化への不安が一段と高まっている。現地メディアによると、この数カ月間に同国では複数のプロ・アマチュア選手が暴力の犠牲となっており、若手選手が銃撃で死亡するなど、サッカー界全体が暴力の波にさらされている。
2025年は国内の殺人件数が過去最高に達する見込みで、グアヤキルは特に暴力犯罪が多発している。
治安当局は組織犯罪や麻薬カルテルが影響力を強めていることを背景に暴力が増加していると分析し、対策強化を進めている。しかし、今回のような著名人が標的となる事件は国民の不安を一層増幅させている。国際サッカー界からも追悼の声が相次ぎ、スポーツと社会の安全保障の関係について議論が高まっている。
ピネイダ氏の葬儀は地元のファンや関係者が多数参列する中で行われる予定で、クラブ関係者は公式声明で彼の死を悼むとともに、エクアドル社会の暴力根絶を強く訴えた。今回の逮捕が真相究明につながるかどうかが注目される。
