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エクアドル、「外国軍基地」設置の是非問う国民投票実施へ、25年11月

議会は現在、2008年に制定された外国軍基地の設置を禁じる法律の見直しを進めている。
エクアドルのノボア大統領(ロイター通信)

南米エクアドルの国家選挙管理委員会(CNE)は21日、ノボア(Daniel Noboa)大統領が提案した国民投票を今年11月16日に実施すると発表した。

ノボア氏はギャングによる暴力が激化する中、憲法改正案の是非を国民に問うことになる。

有権者は以下の二点を問われる。

①エクアドル国内における外国軍基地の駐留禁止規定を廃止すべきか②国家は政党への資金提供義務を免除されるべきか。

ノボア氏は今週初めに発令した政令で国民投票の実施をCNEに要請。同時に、国民が憲法制定議会を組織して憲法を改正すべきかどうかも問うべきだと表明した。

憲法裁判所は19日、憲法制定議会に関する国民投票の要請を差し止めた。この提案に関する訴訟は現在進行中である。

CNEの委員長はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「2025年国民投票の実施要請、ガイドライン、運営計画、予算、リスク・緊急時対応マトリックス、日程を承認した」と書いた。

米国のルビオ(Maro Rubio)国務長官は今月初めにエクアドルを訪問しノボア氏と会談。2000万ドル相当の安全保障支援を提供すると発表した。

ルビオ氏はこの際、「エクアドルからの要請があれば、同国に軍事基地を設置することも検討する」と述べた。

ノボア氏は米軍の駐留を支持しているが、これには議会と国民投票での承認が必要である。

議会は現在、2008年に制定された外国軍基地の設置を禁じる法律の見直しを進めている。

米軍は以前、沿岸の都市マンタに基地を置いていたが、この法律を受け、2009年に撤退した。

エクアドルの人口は約1800万人。昨年の殺人認知件数は約8000件。人口10万人あたりの殺人件数は世界トップクラスである。

米国務省はエクアドルの2大ギャングであるロス・チョネロスとロス・ロボスを「外国テロ組織」に指定している。

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