◎麻薬カルテルやギャングとつながりのある受刑者は銃器、手りゅう弾、ナイフなどで武装し、ひどい時には看守にも攻撃を仕掛ける。
エクアドル政府は25日、同国最大の刑務所で暴力事件が発生したことを受け、全刑務所に非常事態を宣言した。
これにより、支援が必要な刑務所に陸軍を派遣できるようになった。期間は60日間の予定。
ラソ(Guillermo Lasso)大統領が非常事態宣言を発令したのはこの24時間で2回目。
ラソ氏は24日、マナビ県マンタの市長が何者から射殺されたことを受け、同県を対象とする非常事態令に署名した。
地元メディアによると、最大都市グアヤキルの刑務所で22日午後に発生した暴動はエスカレートし、最初の衝突で警察官を含む少なくとも18人が死亡、11人が負傷したという。
近隣の住民は刑務所内から銃声と爆発音が聞こえたと証言している。
警察は所内の最新情報を公表しておらず、暴動が収まったかどうかは不明である。
この刑務所の定員は9500人だが、今年第1四半期の時点でそれを3000人近く上回っていたようだ。
エクアドルでは南米とメキシコの麻薬カルテルが領土争いを繰り広げているとされ、その傘下である地元のギャングが絡む暴力事件が多発している。
カルテルやギャングとつながりのある受刑者は銃器、手りゅう弾、ナイフなどで武装し、ひどい時には看守にも攻撃を仕掛ける。
2021年に発生したギャング間抗争では受刑者119人が死亡。今年4月の暴動では受刑者12人が死亡、3人が負傷した。
地元メディアによると、他の13の刑務所の受刑者は24日、衛生状態や食事の改善などを求めてハンガーストライキを行うと発表。当局が応じるまでストを続けるとしている。