◎両国の関係はエクアドル警察が先月、在メキシコ大使館を襲撃し、政治亡命を求めていたグラス元副大統領を逮捕したことを受け、破綻した。
2024年4月5日/エクアドル、首都キトの在メキシコ大使館に押し入る捜査当局(AP通信)

南米エクアドルの捜査当局が首都キトの在メキシコ大使館に押し入り、複数の汚職事件で有罪判決を受けているグラス(Jorge Glas)元副大統領を拘束した事件について、エクアドル政府は28日、メキシコ当局とこの問題について協議する用意があると表明した。

エクアドルの外相はAP通信のインタビューで、「メキシコ当局と対話する用意がある」と述べる一方、「汚職政治家の解放と亡命は絶対に認められない」と強調した。

エクアドル警察は先月5日、キトの在メキシコ大使館に押し入り、グラス氏を逮捕した。

メキシコ政府はこの事態を受け、国際司法裁判所(ICJ)に訴状を提出、在外公館への侵入を「とんでもない蛮行」と糾弾した。

エクアドル政府はこれに激しく反発。複数の汚職事件で有罪判決を受けているグラス氏の亡命をメキシコ政府が認めたことは国際法違法であるとして、ICJに提訴した。

2016年の大地震後の復旧・復興活動を主導した際、複数の汚職に関与し、さらに他の贈収賄事件でも有罪判決を受けているグラス氏は浴室で確保される数時間前に政治亡命を認められていた。

エクアドル外相はAPに、「我が国はメキシコの要請を受け入れ、第三国に仲介を要請した」と述べたが、国名には言及しなかった。

メキシコのバルセナ(Alicia Bárcena)外相は前日、地元メディアのインタビューで、「第三国は恐らくスイスになるだろう」と述べていた。

世論は「汚職政治家を逃さない」というエクアドル政府の主張に一定の理解を示しているが、世界各国は在外公館への攻撃を国際法違反と糾弾。エクアドルに再考を促している。

在外公館はウィーン条約によって外国の領土とみなされ、侵すことのできないものとされている。

メキシコのオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領は港湾都市グアヤキルの刑務所に収容されているグラス氏の釈放が和解の唯一の条件であると主張している。

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