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▽世論調査の結果はまちまちで、どちらが勝ってもおかしくない。
エクアドルのノボア大統領(右)とゴンザレス氏(ロイター通信)

南米エクアドルで13日、大統領選決選投票が行われる。現職のノボア(Daniel Noboa、37歳)大統領と左派のゴンザレス(Luisa Gonzalez、47歳)氏は麻薬組織の暴力で苦境にあえぐ経済の改善を公約に掲げている。

複数の地元メディアの世論調査によると、ゴンザレス氏の支持率は50~51%、ノボア氏は49~50%となっている。

2月の大統領選におけるノボア氏の得票率は44.17%、ゴンザレス氏は44.00%、票差はわずか1万7000票であった。

世論調査の結果はまちまちで、どちらが勝ってもおかしくない。

両候補は選挙監視団や国際オブザーバーに対し、不正に注意するよう呼びかけている。

エクアドルでは数年前からギャング間抗争が激化。港湾都市グアヤキルでは24年1月、世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルと同盟関係にある麻薬組織ロス・チョネロスのリーダー「マシアス(Adolfo Macías)」が刑務所から脱獄した。

ノボア氏はこの脱獄を受け、国家非常事態を宣言。陸軍と警察にマシアスを確保するよう命じたが、逮捕には至っていない。

麻薬組織やギャングの暴力は5年ほど前から続いている。麻薬組織は最大の市場である米国に麻薬を送り、銃器の密輸、誘拐、企業への脅迫などで利益を上げてきた。

パンデミックの間、経済は大打撃を受け、回復が遅れている。中央銀行は今年のGDP成長率をプラス2.5%と見積もっているが、ノボア氏は自身の政策を続ければ4%に達する可能性があると主張している。

ノボア氏は23年の大統領選でゴンザレス氏との一騎打ちを制し、初当選を果たした。この選挙は弾劾訴追に直面した当時のラソ(Guillermo Lasso)大統領が前倒しで実施を決めたため、ノボア氏の任期は1年5カ月となった。

一方、ゴンザレス氏はノボア氏の治安対策を批判。自身が勝利した場合、暴力対策だけでなく、麻薬組織との話し合いにも応じる可能性があると示唆している。

地元メディアによると、ゴンザレス氏の陣営が政権を奪取した場合、コレア(Rafael Correa)元大統領に恩赦を与える可能性があるという。

コレア氏は2017年に退任して以来ベルギーに住んでいる。同氏は2020年、汚職罪で有罪が確定、禁固8年を言い渡された。コレア政権時代の高官を含む数十人も有罪判決を受けている。

コレア氏は疑惑を否定し、政敵が政治的な理由で捜査機関を利用したと主張している。

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