◎中北部の6つの州のデモは暴動に発展し、死傷者も出たと伝えられている。
南米エクアドル政府は22日、燃料価格の引き下げなどを求める先住民族抗議グループが提示した要求を拒否した。
首都キトでは食料や燃料の不足と価格の高騰に抗議するデモが10日連続で行われ、首都機能を麻痺させている。
政府はデモ隊が提示した要求を拒否し、自宅に戻るよう呼びかけた。一方、米国はデモが「内乱」に発展する恐れがあるとして、渡航中止勧告を出した。
地元メディアによると、デモを率いる先住民族連合はラソ(Guillermo Lasso)大統領に、「ガソリン価格の引き下げ(1ガロン45セント下げ)」「農産物の価格統制(上限設定)」「教育予算の増額」を要求している。
中北部の6つの州のデモは暴動に発展し、死傷者も出たと伝えられている。
先住民族連合の報道官は21日、政府に対し、6つの州の非常事態宣言を解除し、キトに配備した兵士と警察官を排除するよう要求した。
大統領府の報道官は22日、連合の要求をすべて拒否し、暴力を非難した。「今、首都を無防備にすることはできません。私たちは座って話をすべき時だと考えています...」
非常事態宣言下に置かれている6つの州の主要道路は封鎖され、混乱が続いている。キトでも一部の暴徒が市民を攻撃し、企業のオフィスや小売店が略奪被害に遭った。
米国、ドイツ、イギリス、カナダなどの大使館は相次いで声明を発表し、暴力ではなく話し合いで問題を解決するよう呼びかけた。
米国務省は22日の勧告で、国際的な犯罪組織や麻薬カルテルなどが暴動に乗じて活動を活発化させる恐れがあるとし、米国民にエクアドルへの渡航を控えるよう求めた。
国連や米州機構を含むおよそ300の国際機関も、政府と先住民族連合の指導者に対話で問題を解決するよう呼びかけている。
内務省の報道官は21日、アマゾンの都市プヨのデモ隊が警察と市民を襲撃したと発表した。「暴徒は爆発物やカービン銃を使用しています...」
他の州では司法長官室のある建物が攻撃を受け、油田も占拠されている。エネルギー省によると、油田の占領で日量約3万バレルの損失が発生しているという。