◎先住民族連合率いるデモ隊約1万4000人は首都キトなどで行進や集会を行い、一部の暴徒化した市民と治安部隊の衝突が各地で報告された。
エクアドルのデモ隊を率いるリーダーは30日、2週間以上続いた全国規模のストライキを停止することで政府と合意した。
先住民族連合は政府に「ガソリン価格の引き下げ」「農産物の価格統制(上限設定)」「教育予算の増額」を要求していた。
抗議デモは一部地域で暴動に発展し、治安部隊の取り締まりで市民少なくとも6人が死亡したと伝えられている。
ラソ(Guillermo Lasso)大統領はこの取引の一環として、燃料を1ガロン15セント引き下げることに合意した。
地元メディアによると、ディーゼルの小売価格はこの数カ月でほぼ倍になり、ガソリン価格も高騰している。
政府の燃料価格引き下げ額は連合の要求の半分にとどまった。財務省によると、引き下げに必要な予算は3億4000万ドルほどだという。
ラソ氏はツイッターに声明を投稿し、合意を歓迎した。「私たちはエクアドルの平和を確立することに合意したのです!」
一方、連合の会長を務めるイザ(Leonidas Iza)氏は協定署名後にスト中止を宣言したが、「我々は戦い続ける」と付け加えた。
AP通信は政府筋の話を引用し、「ラソ政権は90日以内に協定を履行したことを証明しなければならない」と報じた。
先住民族連合率いるデモ隊約1万4000人は首都キトなどで行進や集会を行い、一部の暴徒化した市民と治安部隊の衝突が各地で報告された。イザ氏は暴動を扇動した容疑で一時拘束されたが、解放されている。
デモ隊はキトと周辺都市を結ぶ幹線道路を占領したため、貨物の輸送に深刻な影響が出た。一部の住民は食料の購入に苦労しているとSNSに投稿し、政府に支援を呼びかけていた。