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エクアドルの殺人事件40%増、5000件超える 25年1~7月

政府は今月初め、南東部エルオロ県で暴力が急増しているとして、2カ月間の緊急事態宣言を発令した。
2022年11月18日/エクアドル、首都キトの刑務所(Dolores Ochoa/AP通信)

エクアドルの内務省は21日、今年1~7月末までの殺人事件の件数が前年同期間と比べて40%増加したと発表した。

それによると、25年1~7月末までの殺人認知件数は5268件。前年は3753件であった。

被害者の大半は25歳から34歳で、そのほとんどに銃器が使用された。

政府は今月初め、南東部エルオロ県で暴力が急増しているとして、2カ月間の緊急事態宣言を発令した。

同国では銃撃事件などにより、過去数週間で100人近くが死亡。その大半がエルオロ県を含む沿岸の4地域で発生している。

ノボア(Daniel Noboa)大統領は昨年、世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルと同盟関係にあるロス・チョネロスのリーダーが港湾都市グアヤキルの刑務所から脱獄したことを受け、国家非常事態を宣言した。

このリーダーは最近逮捕され、米ニューヨーク州に送還された。

治安部隊は国家非常事態宣言後、全国で取り締まりを強化してきたが、ギャング間抗争が続く地域では暴力が激化している。

議会は最近、軍を街頭に展開し、政府が犯罪抑止に役立つと主張する「安全保障法」を可決した。これには麻薬密売に対するより厳しい罰則が含まれる。

内務省の統計によると、25年上半期の殺人事件数は4619件、前年比で47%増加した。

エクアドルの人口は約1800万人。昨年の殺人認知件数は約8000件。人口10万人あたりの殺人件数は世界トップクラスである。

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