エクアドルの殺人事件40%増、5000件超える 25年1~7月
政府は今月初め、南東部エルオロ県で暴力が急増しているとして、2カ月間の緊急事態宣言を発令した。
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エクアドルの内務省は21日、今年1~7月末までの殺人事件の件数が前年同期間と比べて40%増加したと発表した。
それによると、25年1~7月末までの殺人認知件数は5268件。前年は3753件であった。
被害者の大半は25歳から34歳で、そのほとんどに銃器が使用された。
政府は今月初め、南東部エルオロ県で暴力が急増しているとして、2カ月間の緊急事態宣言を発令した。
同国では銃撃事件などにより、過去数週間で100人近くが死亡。その大半がエルオロ県を含む沿岸の4地域で発生している。
ノボア(Daniel Noboa)大統領は昨年、世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルと同盟関係にあるロス・チョネロスのリーダーが港湾都市グアヤキルの刑務所から脱獄したことを受け、国家非常事態を宣言した。
このリーダーは最近逮捕され、米ニューヨーク州に送還された。
治安部隊は国家非常事態宣言後、全国で取り締まりを強化してきたが、ギャング間抗争が続く地域では暴力が激化している。
議会は最近、軍を街頭に展開し、政府が犯罪抑止に役立つと主張する「安全保障法」を可決した。これには麻薬密売に対するより厳しい罰則が含まれる。
内務省の統計によると、25年上半期の殺人事件数は4619件、前年比で47%増加した。
エクアドルの人口は約1800万人。昨年の殺人認知件数は約8000件。人口10万人あたりの殺人件数は世界トップクラスである。