◎ラソ氏は元銀行家の67歳。2021年に経済界寄りの政策と公約を掲げて初当選を果たし、左派が多数派を占める国会と衝突した。
2023年6月2日/エクアドル、首都キトの政府庁舎、ラソ大統領(Dolores Ochoa/AP通信)

エクアドルラソ(Guillermo Lasso)大統領は2日、8月20日に予定されている大統領選に立候補しないと表明した。

中道右派のラソ氏は2週間前、左派が多数派を占める国会(一院制:定数137)との対立が激化し、深刻な政治危機に陥ったとして、国会を解散した。

ラソ氏は2日の記者会見で、「大統領選に出馬せず、この国の民主主義を守るために必要なことをしたい」と語った。

またラソ氏は左派政党を念頭に置き、「自分の地位を捨てて民主主義を守れるのであれば、喜んでそうする」と述べ、右派に結束を呼びかけた。

ラソ氏は元銀行家の67歳。2021年に経済界寄りの政策と公約を掲げて初当選を果たし、左派が多数派を占める国会と衝突した。

国会は先月、ラソ氏が国営石油会社と民間タンカー会社の契約トラブルに対処せず放置したという疑惑に基づき、弾劾手続きを開始した。

ラソ氏は罷免される可能性が高いと判断し、国会を解散。「エクアドルの未来を決めるのは有権者」と述べ、決断を擁護した。

エクアドルの憲法は大統領に解散の権限を与え、宣言した場合は必要な手続きを経た後、議会選、大統領選、副大統領選に移行する。

8月の選挙で選出された大統領は現職の任期(2025年5月)を務めることになる。1回目の投票で過半数を獲得する候補がいなかった場合は10月15日の決選投票に移行する。

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