エクアドル国民議会、ギャング対策改革法案を可決

エクアドルでは20もの犯罪組織が麻薬密売ルートの支配権を争っていると考えられている。
エクアドル陸軍の兵士(Getty Images)

南米エクアドルの国民議会(一院制、定数151)が7日、ノボア(Daniel Noboa)大統領が推進する刑法改正案を可決した。

これにより、政府はギャングに対抗し、その犯罪活動を支える麻薬組織を解体するための新たな法的権限を得ることになる。

法案は賛成84ー反対46で可決、成立した。

エクアドルでは数年前からギャング間抗争が激化。港湾都市グアヤキルでは24年1月、世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルと同盟関係にある麻薬組織ロス・チョネロスのリーダー「マシアス(Adolfo Macías)」が刑務所から脱獄した。

ノボア氏はこの脱獄を受け、国家非常事態を宣言。陸軍と警察にマシアスを確保するよう命じたが、逮捕には至っていない。

先月2期目をスタートさせたノボア氏は警察と共に軍隊を現地に派遣する措置を講じ、治安対策を大幅に強化してきた。

またノボア氏は薬物関連犯罪の刑期延長を推進。米国や他の国々との情報共有と連携強化を進めている。

新たな法的枠組みは大統領に犯罪対策措置への資源再配分に関するより広い裁量権を付与する。

エクアドルでは20もの犯罪組織が麻薬密売ルートの支配権を争っていると考えられている。

ノボア氏によると、世界のコカイン(コロンビア産、ペルー産、ボリビア産)の70%がエクアドルの港を経由して米国や欧州に密輸されているという。

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