◎当局はギャングが刑務所に持ち込んだ銃器、爆薬、手榴弾、グレネードランチャー、ナタ、マチェーテ、コカイン、テレビ、タバコなどを押収した。
エクアドルの治安当局が18日、港湾都市グアヤキルの刑務所の支配権をギャングから取り戻す作戦を開始した。
地元メディアによると、陸軍と警察の合同チームが市内の刑務所に入り、ギャングの拠点を抑えたうえで、所内の治安を回復したという。
グアヤキルでは今月初め、世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」と同盟関係にある麻薬ギャング「ロス・チョネロス」のリーダー「マシアス(Adolfo Macías)受刑者」が刑務所から脱獄。ノボア(Daniel Noboa)大統領は国家非常事態を宣言し、陸軍と警察に容疑者を確保するよう命じた。
脱獄から数日後、全国の刑務所で暴動が発生し、刑務官200人近くが一時人質に取られた。
ノボア氏は「戦争状態に突入した」と宣言。陸軍と警察にギャングを一掃するよう命じた。
脱獄したマシアス容疑者の行方は分かっておらず、警察が3000人体制で行方を追っている。
当局はマシアス受刑者の脱獄を支援したとされる刑務官を少なくとも2人拘束したとしている。
国営テレビは数百人の部隊がグアヤキルの刑務所に入り、受刑者を追いかけ回す様子を報じた。ある兵士はタトゥーを入れた男を警棒で殴っていた。
部隊は市内の全刑務所の支配権を取り戻したと発表。ギャングが持ち込んだ銃器、爆薬、手榴弾、グレネードランチャー、ナタ、マチェーテ、コカイン、テレビ、タバコなどを押収したとしている。
グアヤキル市内では17日、犯罪組織を調査していた検事が何者かに殺害される事件が発生。ノボア氏はこれに激怒し、刑務所制圧を前倒しするよう命じたとされる。
この検事はグアヤキルのテレビ局で先週発生した占領事件を調査していた。