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エクアドル国民投票、反対多数で否決、外国軍基地設置認めず

暴力の急増に直面するエクアドル国民は「外国軍基地の再設置を認めるか否か」、そして「憲法改正のための国民議会の招集を支持するか否か」を決める投票に臨んだ。
2025年11月16日/エクアドル、首都キトの投票所(ロイター通信)

南米エクアドルで11月16日に行われた国民投票について、地元メディアは17日、反対多数で否決される見通しと報じた。

暴力の急増に直面するエクアドル国民は「外国軍基地の再設置を認めるか否か」、そして「憲法改正のための国民議会の招集を支持するか否か」を決める投票に臨んだ。

ノボア(Daniel Noboa)大統領は組織犯罪対策の要として外国軍基地の再設置が必要と主張している。

有権者は以下の二点を問われていた。

①エクアドル国内における外国軍基地の駐留禁止規定を廃止すべきか。

②国家は政党への資金提供義務を免除されるべきか。

選挙管理委員会によると、開票率88%の時点で反対が61%、賛成が39%となっている。

両案の否決はノボア氏にとって痛手となった。

ノボア氏は両案を支持し、「組織犯罪対策には国外との協力、国内での共同基地や外国基地の設置が不可欠だ」と主張。「かつての左派政権が起草した現行憲法は、国の新たな現実を反映させるため改正が必要だ」と訴えていた。

かつてラテンアメリカで最も安全な国の一つと見なされていたエクアドルは、太平洋に面した地理的条件から近年、主要な麻薬中継拠点となり、未曾有の治安危機に直面している。

地元メディアの世論調査では、憲法制定議会招集への支持は過半数を占める一方、軍事基地問題では意見が分かれている。

憲法改正には議会と国民投票での支持が必要である。

米軍は以前、沿岸の都市マンタに基地を置いていたが、この法律を受け、2009年に撤退した。

エクアドルの人口は約1800万人。昨年の殺人認知件数は約8000件。人口10万人あたりの殺人件数は世界トップクラスである。

米国務省はエクアドルの2大ギャングであるロス・チョネロスとロス・ロボスを「外国テロ組織」に指定している。

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