▽同国は非常事態宣言下にあり、陸軍と警察がギャング、麻薬組織、人身売買組織を取り締まっている。
南米エクアドルの司法省は12月31日、港湾都市グアヤキルで行方不明になった少年4人の拉致に関与したとして、陸軍兵士16人の逮捕を命じた。
司法省はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「裁判所が逮捕状を発行し、警察が16人を逮捕した」と書いた。
それによると、16人は軍事基地から刑務所に移送されたという。
この失踪事件は全国的な怒りを呼び、司法省が全国調査を指揮している。
グアヤキルでは24年1月、世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」と同盟関係にある麻薬ギャング「ロス・チョネロス」のリーダー「マシアス(Adolfo Macías)受刑者」が刑務所から脱獄した。
ノボア(Daniel Noboa)大統領は国家非常事態を宣言し、陸軍と警察にマシアスを確保するよう命じたが、逮捕には至っていない。
それ以来、同国は非常事態宣言下にあり、陸軍と警察がギャング、麻薬組織、人身売買組織を取り締まっている。
陸軍と警察は非常事態宣言により権限を強化され、令状なしで家宅捜索を行ったり、不審者を連行できる。
11~15歳の少年4人は12月8日、グアヤキルのサッカー場に行ったまま帰宅せず、家族が捜索願を出した。
地元メディアが報じた防犯カメラの映像には軍のパトロール隊が少年2人をトラックの荷台に乗せ、走り去る様子が映っていた。
司法省は31日、グアヤキル近郊のタウラで先週発見された黒焦げの遺体について、この4人であることを確認したと明らかにした。
軍は少年4人がパトロール隊に拘束されていたことを認め、強盗未遂に加担したために拘束したと主張している。
また軍は12月8日夜に4人を釈放したと主張。失踪の原因はギャングにあるとしている。