▽この失踪事件は全国的な怒りを呼び、陸軍兵士が逮捕される事態に発展。司法省が全国調査を指揮している。
南米エクアドルの司法省は12月31日、港湾都市グアヤキル近郊のタウラで先週発見された黒焦げの遺体について、12月8日から行方不明になっていた4人の少年であることを確認したと発表した。
この失踪事件は全国的な怒りを呼び、陸軍兵士が逮捕される事態に発展。司法省が全国調査を指揮している。
捜査当局は先週、この失踪事件に関与したとして、軍の兵士16人を逮捕した。
司法省は31日の声明で、「法医学的検査を行った結果、タウラで発見された4人の遺体は12月8日に失踪した4人の少年(11~15歳)であることを確認した」と述べた。
少年の家族の1人は地元テレビ局のインタビューで、「4人はグアヤキル市内のサッカー場で遊ぶために外出し、8日夜になっても帰宅しないため、警察に通報した」と語った。
地元メディアが報じた防犯カメラの映像には4人の少年のうち2人が陸軍のトラックに押し込まれ、連れ去られる様子が映っていた。
報道によると、当局は事件発生の翌日に防犯カメラの映像を入手したにもかかわらず、陸軍が兵士の関与を報告したのは2週間後であった。
AP通信は関係者の話しとして、「一部の軍高官は非常事態宣言下という理由で少年の連れ去りを正当化しようとした」と伝えている。
グアヤキルでは24年1月、世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」と同盟関係にある麻薬ギャング「ロス・チョネロス」のリーダー「マシアス(Adolfo Macías)受刑者」が刑務所から脱獄した。
ノボア(Daniel Noboa)大統領は国家非常事態を宣言し、陸軍と警察にマシアスを確保するよう命じたが、逮捕には至っていない。
それ以来、同国は非常事態宣言下にあり、陸軍と警察がギャング、麻薬組織、人身売買組織を取り締まっている。
APは関係者の話しとして、「逮捕された兵士16人は犯罪組織と連携して若い男女を拘束、売買していた可能性がある」と伝えている。
警察は逮捕した16人の身元、認否、罪状を明らかにしていない。