エクアドル、犯罪組織に対する軍事攻撃を準備中、米軍が後方支援
エクアドルでは2021年初頭から、犯罪組織やギャングによる暴力事件が急増している。
とエクアドルのノボア大統領(AP通信).jpg)
エクアドル政府は11日、国内で活動する犯罪組織に対し大規模な軍事攻撃を行う準備を進めていると発表した。この作戦は今週末にも開始される見込みで、米国が後方支援を提供するという。レインバーグ(John Reimberg Oviedo)内相が11日、地元ラジオ局のインタビューで明らかにした。
それによると、軍事作戦は暴力や麻薬取引が深刻化している西部グアヤス州などの3地域で、3月15~30日まで午後11時から翌午前5時までの夜間外出禁止令を発出する予定。これは兵力や装備の移動を円滑にし、軍・治安部隊の作戦行動の妨げにならないようにするための措置だとしている。外出禁止令の期間中、住民は原則として自宅に留まり、道路を空けるよう求められている。
レインバーグ氏は「これから開始する攻撃で巻き添え被害を出したくない」と述べるとともに、「実施する作戦には米軍からの重要な後方支援がある」と強調した。ただし、具体的にどの程度の支援が提供されるかについては明らかにしなかった。在米国大使館や国防総省、米南方軍(SOUTHCOM)もコメントを出していない。
この攻勢はエクアドルと米国がすでに暴力的な犯罪組織に対して共同軍事作戦を展開している中で打ち出されたものだ。両国は特定地域を対象とした軍事・治安行動を実施してきたが、これまでのところ作戦の詳細や規模は公開されていない。レインバーグ氏は、「今回の攻撃は犯罪組織が国内各地に築いた基盤を破壊することを目的としている」と述べたが、安全上の理由から具体的な計画については明かさなかった。
エクアドルでは2021年初頭から、犯罪組織やギャングによる暴力事件が急増している。これらのグループは中南米諸国の麻薬カルテルと密接な関係を築いており、麻薬の主要な積出・中継地点としての役割を果たしていることが治安悪化の一因となっている。特にコロンビアやメキシコのカルテルとの結びつきが強く、エクアドルを通じて中央アメリカ、米国、ヨーロッパ向けの麻薬密輸が行われているという。
治安当局はこうした組織が都市部だけでなく郊外や農村部にも深く浸透し、地域住民に恐怖と不安を広げていると説明する。殺人、誘拐、襲撃、違法採掘や麻薬取引に関連する暴力事件が日常的に発生し、2025年には国内の殺人件数が過去最高を更新した。こうした治安情勢を受け、政府は軍や警察の活動を強化し、犯罪組織の壊滅を目指している。
エクアドルは米国との安全保障協力を深化させ、SOUTHCOM司令官らが協力関係を強化する意向を示している。米国はエクアドル軍に対して軍事訓練や情報提供、後方支援を提供し、今回の大規模作戦でもこうした支援が重要な役割を果たすとみられる。米側は公式声明でエクアドル軍の治安維持への取り組みを称賛しているものの、詳細な支援内容については明らかにしていない。
政府は今回の作戦が犯罪組織による暴力や腐敗、違法取引を根絶する契機になると期待する一方で、長期的な治安改善には社会的・経済的な対策も不可欠だとしている。軍事攻撃だけでなく司法制度の強化、教育機会の拡充、地域社会への支援プログラムの実施など包括的な対策が必要だとの声も治安専門家や市民の間で上がっている。
今回の大規模攻勢はエクアドルが国内の暴力犯罪との戦いを新たな段階へと進める一歩と位置づけられている。米国との協力関係を基盤に今後の治安情勢が注目される。
