◎最大都市グアヤキルのリトラル刑務所で発生したギャング間の抗争の死亡者数は116人に達し、少なくとも80人が負傷した。
エクアドルの地元メディアによると、最大都市グアヤキルのリトラル刑務所で発生したギャング間の抗争の死亡者数は116人に達し、少なくとも80人が負傷したという。
警察当局は報告の中で、116人のうち少なくとも5人が斬首されたと明らかにした。また、一部の囚人は手りゅう弾を投げ、マシンガンを手当たり次第に乱射したという。
抗争は9月28日に始まったと伝えられている。この刑務所には世界的な麻薬カルテルとつながりのある囚人が複数収監されており、警察は混乱を収束させるために400人以上を動員した。
ギジェルモ・ラッソ大統領は29日、国内の刑務所を対象とする非常事態を宣言し、兵士と警察を刑務所内に配備することを許可した。
ラッソ大統領は記者団に対し、刑務所内で虐殺が発生したことを遺憾に思うと述べ、「刑務所がライバルギャング同士の権力争いの場になったことを残念に思う」と述べた。
地元メディアによると、抗争はエクアドルで活動しているメキシコの麻薬カルテルの指示で始まったという。国内の刑務所を統括するボリバル・ガルゾン氏は地元ラジオ局のインタビューの中でリトラル刑務所内の状況を「凄惨」と表現し、「警察は29日の早い時間に刑務所の支配権を完全に取り戻した」と強調した。
エクアドルの刑務所ではギャング間の抗争が頻発しており、今年2月には国内の3つの刑務所でほぼ同時に戦闘が発生し、囚人79人が死亡した。リトラル刑務所では7月にも抗争が発生し、22人が死亡していた。
ソーシャルメディアにはリトラル刑務所の囚人と思われる遺体の写真が複数共有されている。戦闘には銃器、ナイフ、手りゅう弾などが使われたと伝えられている。
リトラル刑務所の遺体安置所近くには身内や知り合いの安否を心配する人々が集まった。地元メディアの取材に応じたある男性は、「麻薬カルテルの支援を受けるギャングはライバル組織の戦闘員を斬首し、解体し、見せしめにさらす」と語った。
エクアドルの軍事情報部の元局長であるマリオ・パズミーニョ氏はAP通信の取材に対し、「エクアドルの刑務所内で展開される血生臭い戦いは、国境を越えた組織犯罪がエクアドルに浸透していることを示している」と述べた。
パズミーニョ氏は、「メキシコのシナロアカルテルとハリスコ新生代カルテルは地元のギャングを通じてエクアドルに麻薬を供給している」と述べ、「カルテルは恐怖を拡散し、地域の支配を確立する」と説明した。「カルテルはより多くの地域を支配するために恐怖をまき散らします。斬首、解体、磔は彼らの常套手段です」
シナロアカルテルは1980年代後半に設立されたメキシコ最大の犯罪組織で、麻薬密売、マネーロンダリング、武器密売、殺人、誘拐、拷問などを生業としている。構成員は推定30,000人。
ハリスコ新生代カルテルは2009年に誕生した比較的新しい麻薬カルテルだが、数年でメキシコの№2に成長し、シナロアカルテルや他の武装組織と激しく対立している。
エクアドルの刑務所局の元所長、ファウスト・コボ氏は、「刑務所の所員は国家と同等の力を持つ脅威に立ち向かわなければならない」と述べた。「所員と治安当局は盾と警棒を装備していますが、囚人は大口径の銃器と爆弾で武装しています...」