アルゼンチン北部でM5.8の地震、被害の情報なし
アルゼンチンは南アメリカ大陸の南部に位置し、プレート境界からやや離れているため、日本のような地震多発国に比べれば地震の発生頻度は低い。
.jpg)
アルゼンチン北部サンティアゴデルエステロ州で2日、マグニチュード5.8の地震が発生した。
米地質調査所(USGS)とドイツ地球科学研究センター(GFZ)によると、震源の深さは567キロメートル。津波は発生しなかった。
地元テレビ局は自治体当局者の話しとして、「担当者が被害の有無を確認している」と報じた。
X(旧ツイッター)で共有された動画には民家の食器棚がカタカタと揺れる様子が映っていた。
アルゼンチンは南アメリカ大陸の南部に位置し、プレート境界からやや離れているため、日本のような地震多発国に比べれば地震の発生頻度は低い。しかし、国内には複数の活動断層が存在しており、特にアンデス山脈の東側を中心に地震が発生している。これは、南アメリカプレートの下にナスカプレートが沈み込むことで形成された圧縮帯に起因している。
アルゼンチン西部のアンデス山脈沿いでは、活動断層に関連した地震が多く発生している。これらの地域では地殻変動が続いており、逆断層や横ずれ断層が多数分布している。
1944年に発生したサンファン地震(M7.4)では約1万人が死亡するなど、アルゼンチン史上最悪の自然災害の一つとなった。この災害をきっかけに、建築基準や防災意識が見直される契機となった。
また、地震はチリとの国境付近でも発生することがあり、これはナスカプレートと南アメリカプレートの沈み込み帯に近いことによる。チリで発生した巨大地震の揺れがアルゼンチン側にも伝わり、被害をもたらすこともある。そのため、国境地域の都市では耐震対策が重要とされている。
一方で、アルゼンチン東部のパンパ地方や首都ブエノスアイレス周辺は、地質的に比較的安定しており、大きな地震はほとんど発生していない。しかし、全くリスクがないわけではなく、まれに小規模な地震が発生することがあるため、一定の備えは必要である。
近年では、地震の観測網の整備や地震工学の発展により、地震リスクの評価や防災対策が進められている。特に活断層の位置や活動性の研究が進んでおり、将来的な地震の予測や被害軽減に役立てられている。