コロンビア左翼ゲリラFARC-EP、ウリベ上院議員銃撃への関与否定
FARC-EPは2016年に中央政府と和平協定を結んだコロンビア革命軍(FARC)の分離組織。この協定に反対する勢力が結成した。
から分離した左翼ゲリラFARC-EPの戦闘員(Getty-Images).jpg)
コロンビア革命軍(FARC)から分離した左翼ゲリラ「FARC-EP」が13日、ミゲル・ウリベ(Miguel Uribe)上院議員が銃撃された事件への関与を否定した。
ウリベ氏は7日、首都ボゴタ市内での選挙活動中に銃撃され、頭に2発、膝に1発の銃弾を浴びた。
起訴された15歳の少年は麻薬組織の指示を受け発砲したと供述している。
政府はこの事件にFARC-EPが関与したと主張するも、その証拠は示していない。
現地メディアによると、ウリベ氏は依然、意識不明の重体。ボゴタ市内の警備厳重な国立病院に入院している。
地元メディアが報じた映像には少年が逮捕される直前に、「麻薬組織からやれと言われた」と叫ぶ様子が映っていた。
FARC-EPは13日の声明で、「我々は当該政治家に対する攻撃に一切関与していない」と述べた。
ペトロ(Gustavo Petro)大統領はこの事件と南西部カウカ州の警察署近くで10日に発生した爆弾テロにFARC-EPともうひとつの強力な左翼ゲリラ「FARC-EMC」が関与したと非難している。
この爆弾テロでは7人が死亡、数十人が負傷。犯行声明を出した組織はない。
軍と警察はこの両派閥がウリベ氏襲撃と爆弾テロを実行した可能性が高いと述べている。
FARC-EPは13日の声明で、この爆弾テロに言及していない。
一方、検察庁は13日、ウリベ氏への攻撃に関連して、2人目の容疑者が逮捕されたと明らかにした。
それによると、容疑者は15歳の少年に銃を渡したという。それ以上の詳細は明らかにしていない。
FARC-EPは2016年に中央政府と和平協定を結んだFARCの分離組織。この協定に反対する勢力が結成した。
FARC-EPはFARCの元現地指揮官が率い、戦闘員数は約1500人と推定されている。FARCの戦闘員1万3000人以上が2016年の和平協定で武器を置いた。
22年に就任したペトロ氏は内戦終結に向け、左翼ゲリラとの和平交渉をまとめ、平和をもたらすと誓ったが、治安は改善するどころか悪化しているように見える。
ウリベ氏はペトロ政権の安全保障戦略、60年に及ぶ内戦を終結させるための和平交渉が失敗に終わったと批判する右派議員のひとりであった。
議会上院の多数派である右派はペトロ氏の戦略が逆効果を招いたと主張している。
コロンビア内戦の犠牲者は45万人以上と推定されており、その大半が1985年~2018年の戦闘で死亡したとされる。