◎アルゼンチンの検察官は昨年、マラドーナ氏の医療に関与していた医師と看護師を調査するよう専門家たちに要請していた。
アルゼンチンの医療専門家によると、昨年11月に死亡したディエゴ・マラドーナ氏は亡くなる前に適切なケアを受けていなかったという。
アルゼンチンの検察官は昨年、マラドーナ氏の医療に関与していた医師と看護師を調査するよう専門家たちに要請していた。
マラドーナ氏は昨年11月25日に首都ブエノスアイレスの自宅で心臓発作を起こし亡くなった。現地メディアによると、同氏は11月初めに脳血栓の手術に成功し、アルコール依存症の治療を受けることになっていたという。
1986年のFIFAワールドカップでアルゼンチン代表を優勝に導いたマラドーナ氏は、コカインとアルコール依存症に悩まされていた。
マラドーナ氏の死から数日後、検察官は同氏の医療に関与していた医師と看護師の調査を開始した。
3月、検察官は20人の医療専門家で構成される委員会を招集し、過失があったかどうかの調査を進めていた。
地元メディアによると、報告書は4月30日に公表されたという。
医療専門家は報告書の中で、「マラドーナ氏は亡くなる約12時間前に重病を発症した」と述べた。「医療チームは12時間の猶予を与えられていました。しかし、体調を大きく崩したマラドーナ氏は適切なケアを受けることができず、その後死亡しました」
アルゼンチンのクラリン紙は報告書の一部を引用した。「委員会はマラドーナ氏に適切なケアを提供しなかった医師と看護師を非難しました...」
報告書によると、マラドーナ氏は医療機関で適切な治療を受けていれば、生存していた可能性が高かったかもしれないという。
報告書のコピーを入手したロイター通信によると、委員会は医療チームの行動を「不適切、不十分、無謀」と結論づけたという。
マラドーナ氏の主治医、レオポルド・ルケ氏は、検察官の調査に直面している医療チームの1人である。
クラリン紙によると、検察官は報告書の内容を精査したうえで、ルケ氏を含む関係者の起訴に踏み切るかどうかを決定するという。クラリン紙は、「検察官は過失致死罪を検討している」と報じた。
マラドーナ氏の2人の娘は昨年、「医療チームは脳出術を受けたばかりの父に適切なケアを提供しなかった」と懸念を表明していた。
一方、メディアの取材に応じたルケ氏は不正行為を否定し、「友人の命を救うためにできる限りのことをしました」と涙を流した。「一部の関係者は医療チームを責めていますが、私たちはマラドーナ氏を愛し、世話をし、寿命を延ばすために最善を尽くしました。遠くで彼の体調を見守っていた傍観者たちは、私を殺すと脅迫しています」