▽ノボア氏は23年の大統領選でゴンザレス氏との一騎打ちを制し、初当選を果たした。
![](https://kagonma-info.com/wp-content/uploads/2025/02/エクアドルのノボア大統領(AP通信).jpg)
南米エクアドルの大統領選挙で再選を目指すノボア(Daniel Noboa)大統領が全国各地で追い込み集会を行っている。
大統領選第1ラウンドの投開票日は2月9日。ここで勝利するためには有効票の50%以上を獲得するか、2位候補に10ポイント差をつけながら40%以上を獲得する必要がある。
いくつかの地元メディアの世論調査によると、ノボア氏の支持率は45~50%、左派のゴンザレス(Luisa Gonzalez)氏は35~40%となっている。ノボア氏が第1ラウンドで勝利するという見方もある。
ノボア氏は23年の大統領選でゴンザレス氏との一騎打ちを制し、初当選を果たした。この選挙は弾劾訴追に直面した当時のラソ(Guillermo Lasso)大統領が前倒しで実施を決めたため、ノボア氏の任期は1年5カ月となった。
ノボア氏は就任後、麻薬取引関連の犯罪を取り締まるという公約を実行に移し、有権者の支持を得ている。
しかし、取り締まりを強化した後も複数の都市でギャング間抗争は続き、市民が巻き込まれるケースもあった。
港湾都市グアヤキルでは24年1月、世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」と同盟関係にある麻薬ギャング「ロス・チョネロス」のリーダー「マシアス(Adolfo Macías)受刑者」が刑務所から脱獄した。
ノボア氏はこの脱獄を受け、国家非常事態を宣言。陸軍と警察にマシアスを確保するよう命じたが、逮捕には至っていない。
それ以来、同国は非常事態宣言下にあり、陸軍と警察がギャング、麻薬組織、人身売買組織を厳しく取り締まっている。
ノボア氏の就任後、暴力事件による死者の数は15%減少。刑務所を増設するなど、麻薬・ギャング問題への対処が政府の最優先事項のひとつとなった。
さらにノボア氏は港湾の警備を強化し、22のギャングや武装グループをテロ組織に指定。国会も非常事態の延長を支持している。
ノボア氏は今週初めの選挙集会で、「公約を実現させるためには4年の任期が必要だ」と訴えた。
またノボア氏はエクアドルの主要ギャングであるロス・チョネロスに制裁を科している米国との連携強化が欠かせないと強調した。