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キューバ共産党がエクアドル大使館閉鎖、緊張高まる

エクアドル外務省は4日、駐キューバ大使と大使館職員をペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)に指定し、48時間以内に国外へ退去するよう命じた。
2026年3月5日/エクアドル、首都キトの在キューバ大使館(AP通信)

エクアドル政府がキューバ外交官に国外退去を命じたことを受け、キューバ共産党は6日、エクアドル・キトにある大使館を閉鎖する措置を取った。両国関係は急速に悪化しており、外交的緊張が高まっている。

エクアドル外務省は4日、駐キューバ大使と大使館職員をペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)に指定し、48時間以内に国外へ退去するよう命じた。政府は決定の理由について説明していないが、ウィーン条約に基づく措置だとしている。受け入れ国は同条約により、理由を示さずに外交官を追放できる。

キューバ政府はこれに強く反発、この措置を「恣意的で正当性のない行為」と非難した。さらに、両国が長年築いてきた友好・協力関係を大きく損なう「非友好的で前例のない行動」と述べた。

キューバ外務省は6日、エクアドルの決定により外交活動の継続が困難になったとして、キトの在キューバ大使館を閉鎖する方針を明らかにした。大使館職員は国外退去命令に従い帰国する見通しで、エクアドル国内でのキューバの外交拠点は事実上機能停止となる。

現地ではエクアドル政府の発表直後、大使館の屋上で書類が焼却される様子が目撃された。これは機密文書の処分とみられている。トランプ米政権との関係を重視する右派のノボア(Daniel Noboa)大統領はこの映像に言及し、「紙のバーベキューだ」とコメントした。

エクアドル政府は同時に、キューバに駐在していた自国大使の任務も打ち切り、両国は相互に外交代表を欠く状態となった。こうした一連の措置は、ノボア政権が進める外交方針の変化と関連している。近年、同政権は治安対策を重視し、米国との安全保障協力を強化する姿勢を示してきた。

専門家の間では、今回の外交摩擦は地域政治の緊張とも関係しているとの見方が出ている。エクアドルは近年、周辺国との外交関係で衝突を起こしており、2024年にはキトにあるメキシコ大使館に警察が突入し、亡命を求めていた元副大統領を拘束した事件が国際的な批判を招いた。

今回の措置が両国の正式な国交断絶につながるかは現時点では明らかになっていない。しかし、外交官の追放と大使館閉鎖という異例の事態は、エクアドルとキューバの関係が大きく冷え込んでいることを示している。両国が今後対話を通じて関係修復に向かうのか、それとも対立が長期化するのかが注目されている。

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