◎フェルナンデス副大統領は自宅前に待ち構えていた支持者に囲まれた直後、拳銃を向けられた。
アルゼンチン政府は1日、首都ブエノスアイレスでクリスティナ・フェルナンデス(Cristina Fernández)副大統領が銃を向けられたものの、暗殺の試みは失敗に終わったと発表した。
アルベルト・フェルナンデス(Alberto Fernandez)大統領は1日夜に放送されたテレビ演説で、「男は引き金を引いたが、弾は発射されなかった」と述べた。
大統領はこの暗殺未遂を「民主主義を脅かすもの」と糾弾し、全国民に暴力を否定するよう呼びかけた。
フェルナンデス氏は2007~2015年の2期8年にわたり大統領を務めたものの、在任中の汚職疑惑により、検察に禁錮12年を求刑されている。
報道によると、フェルナンデス氏は自宅前に待ち構えていた支持者に囲まれた直後、拳銃を向けられた。
フェルナンデス氏はその直後に身をかがめ、拳銃を向けた男は警備員に取り押さえられた。
容疑者はブラジル人と伝えられているが、詳細は明らかにされていない。
大統領は演説の中で、「拳銃には5発弾がこめられていたが、引き金を引いても発射されなかった」と説明した。
フェルナンデス氏に怪我はなかったとみられる。現地メディアによると、同氏は公用車で安全な場所に移動したという。避難場所は明らかにされていない。
政府報道官は記者団に対し、「副大統領の警備員が男を拘束した」と説明したが、それ以上の情報は明らかにしなかった。
国営通信TELAMは警察筋の話を引用し、「容疑者はブラジル国籍のフェルナンド・アンドレス・ザバック(Fernando Andrés Zabak)」と報じたが、政府はこの報道に関するコメントを出していない。
閣僚は1日夜に共同声明を発表。この暗殺未遂を最も厳しい言葉で非難すると述べた。「今夜起きたことは民主主義、制度、法の支配を脅かすものであり、絶対に許されません...」
マクリ(Mauricio Macri)前大統領もツイッターに非難声明を投稿した。
野党のブルリッチ(Patricia Bullrich)党首は容疑者と大統領を非難した。「大統領は重要な事件が進行中にもかかわらず、のんきに国民の祝日を宣言し、副大統領の自宅前に活動家を集めました...」
フェルナンデス氏の自宅周辺では先週末から緊張が高まっており、フェルナンデス氏の支持者と警察が衝突する事態に発展している。
フェルナンデスは毎日正午頃に自宅を出発する際、支持者に挨拶してから議会に向かい、帰宅する際にも同じように挨拶を行っていた。