▽トランプ米大統領は就任初日にパリ協定から離脱する大統領令に署名した。
とCOP30の議長を務めるド・ラーゴ氏(Getty-Images).jpg)
ブラジルで今年開催されるCOP30(国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議)の議長を務めるド・ラーゴ(Andre Correa do Lago)氏は10日、「複雑なルールのもとで世界の指導者たちが温暖化関連の交渉に臨むというやり方に限界が見え始めている」と指摘した。
ド・ラーゴ氏はブラジル大統領府のビジョンをまとめたレポートの中で、「パリ協定は機能しているが、やるべきことはまだたくさんある」と指摘、「30年以上も交渉が長引き、わずかな成果しか得られなかったという現実を直視する必要がある」と述べた。
トランプ(Donald Trump)米大統領は就任初日にパリ協定から離脱する大統領令に署名した。
COP30は米国の協定再離脱により、史上最も厳しい資金集め交渉を強いられる可能性がある。米国は途上国の再エネ化を支援する最大の資金提供国である。
ド・ラーゴ氏は10日の記者会見で、「私たちには交渉の枠を超えた新しい時代が必要だ」と訴えた。「私たちは合意したことを実践する手助けをしなければなりません...」
またド・ラーゴ氏はCOPについて、「気候変動交渉の最良の場であるが、その成果には限界がある」と指摘した。
さらに、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)は気候変動対策を実行する国々に対して何の権限も持っていないと述べた。
トランプ氏はパリ協定に別れを告げ、気候変動を含む対外援助の8割を削減した。
欧州諸国は米国のウクライナ支援一時停止を受け、ウクライナへの追加軍事支援だけでなく、防衛費の増額も迫られている。
ド・ラーゴ氏は「ブラジルはG20や国際通貨基金(IMF)など、世界の首脳が集まる他の会合を利用して、地球温暖化対策を推進するよう各国に働きかける」と述べた。