◎コロンビア内戦の犠牲者は45万人以上と推定されており、その大半が1985年~2018年の戦闘で死亡した。
コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領は3日、国内最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」との和平交渉が最初の合意点に達したと発表した。
ELNは1960年代に学生、労働組合、神父らによって結成され、キューバ革命からインスピレーションを得たとされる。
構成員数は2500~4000人と推定され、ベネズエラでも活動し、金鉱山での違法採掘や麻薬密売で利益を上げている。
ペトロ氏は演説で、「ELNは紛争で土地を失った先住民族の帰還と安全を保証することに合意した」と説明した。
コロンビア内戦の犠牲者は45万人以上と推定されており、その大半が1985年~2018年の戦闘で死亡した。
政府とコロンビア革命軍(FARC)が2016年に和平協定に合意したことで、ELNは国内で活動する最大のゲリラとなった。
元左翼ゲリラのペトロ氏は今年8月に就任し、内戦の終結を公約のひとつに掲げ、ELNとの協議を本格化させた。
報道によると、交渉はベネズエラの首都カラカスで続いているという。ベネズエラ、キューバ、ノルウェーが仲介を務めている。
前政権もELNとの和平を模索したが、ELNの戦闘員が2019年に首都ボゴタの警察学校を爆破し、士官候補生22人を殺害したことを受け、交渉を打ち切った。
ELNの交渉団は先月の声明で、「我々の目標は和平である」と述べ、交渉に前向きな姿勢を見せていた。
コロンビアのルエダ(Danilo Rueda)高等弁務官は以前、「双方の交渉団は人間の尊厳に焦点を当てなければならない」と指摘していた。