▽政府はカタトゥンボに1万人規模の部隊を展開、ELNの支配地域を取り囲んでいる。
コロンビア北部カタトゥンボの治安が改善しつつあるようだ。
カタトゥンボはベネズエラと国境を接し、先月初め頃から同国最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」とコロンビア革命軍(FARC)の分派である左翼ゲリラ「FARC-EMC」との戦闘が激化。2週間で少なくとも80人が死亡、約5万3000人が避難を余儀なくされた。
政府はカタトゥンボに1万人規模の部隊を展開、ELNの支配地域を取り囲んでいる。
ELNはカタトゥンボの複数カ所でFARC-EMCと交戦中とみられる。両組織は何年も前からコカの葉の主要生産地であるカタトゥンボの支配権をめぐって争ってきた。
カタトゥンボの交戦地帯には無数の地雷やIED(即席爆発装置)が仕掛けられているため、陸軍でも簡単に近づくことはできない。
カタトゥンボの人口は約30万人。コロンビアにおけるコカ栽培の15%を占めている。
現地メディアによると、市中心部での戦闘は確認されていないものの、郊外では散発的に銃声や爆発音が聞こえるという。
3週間前に避難所に逃れたという女性はロイター通信の取材に対し、「早く地元に戻りたい」と語った。
国防省によると、約5万3000人が避難し、6000人以上が避難所に身を寄せている。同省は52人の死亡を確認したと報告しているが、地元当局は死者を80人と発表している。
国家警察は3日の記者会見で、「多くの自治体に陸軍が入り、安全を確保しているが、帰還を許可できるかどうかはELN次第である」と語った。
ペトロ(Gustavo Petro)大統領はELNとの和平交渉が決裂したと発表。1月21日に非常事態を宣言した。