コロンビア・ウリベ上院議員、銃撃後回復の兆候示す=医師

ウリベ氏は7日、首都ボゴタ市内での選挙活動中に銃撃され、頭に2発、膝に1発の銃弾を浴びた。
2025年6月8日/コロンビア、首都ボゴタ、銃撃されたミゲル・ウリベ上院議員が入院する病院前(ロイター通信)

銃撃され意識不明の重体となっているコロンビアのミゲル・ウリベ(Miguel Uribe)上院議員が回復の兆候を見せている。医師団が11日、明らかにした。

ウリベ氏は7日、首都ボゴタ市内での選挙活動中に銃撃され、頭に2発、膝に1発の銃弾を浴びた。

逮捕された15歳の少年は麻薬組織の指示を受け発砲したと供述している。

ウリベ氏の治療を担当する医師団は声明で、「ウリベ上院議員の意識は戻っていないが、神経学的な回復の兆候を示している」と述べた。

また医師団は「脳浮腫の軽減により神経学的改善の兆候が見られ、循環動態が安定する傾向も示している」と説明した。

さらに、ウリベ氏は病院の集中治療室(ICU)で専門医らの監視下にあり、24時間体制で必要な支援を受けているとした。

ウリベ氏は野党・民主中道党に属し、来年予定されている大統領選への出馬を表明していた。

22年に就任したペトロ(Gustavo Petro)大統領は内戦終結に向け、左翼ゲリラとの和平交渉をまとめ、平和をもたらすと誓ったが、治安は改善するどころか悪化しているように見える。

ウリベ氏はペトロ政権の安全保障戦略、60年に及ぶ内戦を終結させるための和平交渉が失敗に終わったと批判する右派議員のひとりであった。

議会上院の多数派である右派はペトロ氏の戦略が逆効果を招いたと主張している。

南西部カウカ州では10日、警察署近くで爆弾が爆発し、少なくとも4人が死亡した。軍と警察はコロンビア革命軍(FARC)から分離した左翼ゲリラ「FARC-EMC」の犯行と非難している。

FARC-EMCは2016年に中央政府と和平協定を結んだFARCの分離組織。この協定に反対する勢力が結成した。

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