コロンビア・ウリベ上院議員の容体悪化、選挙活動中に頭撃たれ意識不明の重体

ウリベ氏は6月7日、首都ボゴタ市内での選挙活動中に銃撃され、頭に2発、膝に1発の銃弾を浴びた。
2025年6月8日/コロンビア、首都ボゴタ、銃撃されたミゲル・ウリベ上院議員と連帯する集会(AP通信)

コロンビア当局は9日、頭部を撃たれ意識不明の重体となっているミゲル・ウリベ(Miguel Uribe)上院議員の容態が悪化し、緊急手術を検討していると明らかにした。

ウリベ氏は6月7日、首都ボゴタ市内での選挙活動中に銃撃され、頭に2発、膝に1発の銃弾を浴びた。

ウリベ氏の治療を担当しているサンタフェ財団クリニックは声明で、「神経系での出血により、緊急の神経外科手術を必要とし、回復を助けるため、深い鎮静状態に置かれている」と述べた。

ウリベ氏の意識は被弾して以来、一度も回復していない。

同財団によると、ウリベ氏は改善の兆候が見られた時期もあったという。

事件から2か月後、ウリベ氏の妻はインスタグラムへの投稿で、「神のご加護で、戻ってきてください」と述べていた。

事件に関与した6人が起訴された一方、捜査に協力していた未成年者が拘置所から脱走した。

起訴された人物の中には首謀者に近いとされる男も含まれている。地元メディアは警察筋の話しとして、この男は麻薬カルテルの指示を受けてウリベ氏の暗殺を計画し、実行犯の少年(15歳)に拳銃を渡したと伝えている。

この少年は警察の取り調べに対し、麻薬組織の指示を受け発砲したと供述している。

ウリベ氏は野党・民主中道党に属し、来年予定されている大統領選への出馬を表明していた。

22年に就任したペトロ(Gustavo Petro)大統領は内戦終結に向け、左翼ゲリラとの和平交渉をまとめ、平和をもたらすと誓ったが、治安は改善するどころか悪化しているように見える。

ウリベ氏はペトロ政権の安全保障戦略、60年に及ぶ内戦を終結させるための和平交渉が失敗に終わったと批判する右派議員のひとりであった。

議会上院の多数派である右派はペトロ氏の戦略が逆効果を招いたと主張している。

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