◎中央政府とコロンビア革命軍(FARC)は2016年に和平協定を締結。これに異議を唱える勢力が分離し、複数のFARCゲリラが誕生した。
コロンビアの治安部隊がゲリラの襲撃を受けた。現地メディアが5日に報じた。
コロンビア革命軍(FARC)から分離したゲリラ「エスタード(Estado Mayor Central)」は今週、政府に対する攻撃を拡大すると宣言していた。
報道によると、戦闘は南西部の複数の町で4日夜から5日朝にかけて少なくとも3回発生。ゲリラ兵は爆発物と銃器を使用したという。
陸軍は声明で、「この攻撃により兵士1人が負傷した」と明らかにした。
ペトロ政権は先月、停戦協定を無視して先住民コミュニティを攻撃したとして、エスタードとの協定を一時的に差し止めていた。
元左翼ゲリラであるペトロ(Gustavo Petro)大統領は同国最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」を含む全ての武装勢力との恒久的な停戦・和平を目指している。
報道によると、負傷した陸軍兵士はゲリラの拠点がある南西部トゥマコの軍司令部で警備に当たっていたという。兵士はオートバイに乗った男が投げた手榴弾の破片で負傷した。
その数分前、別の都市の軍事施設前にも爆発物が投げ込まれたものの、負傷者は出なかった。軍はこの攻撃にFARCゲリラが関与しているという見方を示した。
5日早朝にはトゥマコ近くの農村地帯でゲリラ兵が警察署に向けて発砲したとされる。
国家警察は声明で、「陸軍に増援を要請した直後、ゲリラ兵が爆薬付きのガスボンベを警察署近くで起爆した」と明らかにした。負傷者は確認されていない。
中央政府とFARCは2016年に和平協定を締結。これに異議を唱える勢力が分離し、複数のFARCゲリラが誕生した。
一部のゲリラは麻薬カルテルやその関連組織と手を結び勢力を拡大。主に郊外の農村部を支配し、麻薬や金の密売で利益を上げている。