コロンビア大統領候補銃撃、意識戻らず、政府への批判高まる

ウリベ氏は7日、ボゴタ市内での選挙活動中に銃撃され、頭に2発、膝に1発の銃弾を浴びた。
2025年6月8日/コロンビア、首都ボゴタ、銃撃されたミゲル・ウリベ上院議員と連帯する集会(AP通信)

コロンビアのメディアは9日、2日前に銃撃された右派のミゲル・ウリベ(Miguel Uribe)上院議員の意識が戻らず、懸命の治療が続けられていると報じた。

ウリベ氏は7日、ボゴタ市内での選挙活動中に銃撃され、頭に2発、膝に1発の銃弾を浴びた。

警察は15歳の少年を現行犯逮捕した。

ウリベ氏は来年予定されている大統領選への出馬を表明していた。

ウリベ氏の治療を担当する医師団によると、同氏は7日に行われた脳手術を含む医療措置にほとんど反応を示さず、撃たれて以来、一度も意識が戻っていないという。

8日にはウリベ氏が入院する国立病院の周辺に数百人の支持者が集まった。一部の人はペトロ(Gustavo Petro)大統領が襲撃を煽ったと主張した。

ペトロ氏は事件を非難し、右派に対し、この事件を政治的目的に利用しないよう求めた。

しかし、一部の右派はペトロ氏が過激な発言を繰り返した結果、この事件が起きたと主張している。

議会上院の多数派を占める右派はペトロ氏が求める労働法改正案に難色を示している。

元左翼ゲリラであるペトロ氏は改革支持のデモを組織し、右派の指導者を「国民の敵」と呼ぶなど、激しい演説を行ってきた。

議会上院は9日、ウリベ氏との連帯を示すため、労働法改正案の審議を一時停止すると発表した。

上院は今週、この採決を行う予定であった。

ペトロ氏は上院がこれを否決した場合、国民投票で是非を問うと主張している。

警察は発砲したとされる15歳の少年を逮捕。この少年は足を負傷し、別の病院で手当てを受けているとのこと。

警察は少年の認否を明らかにしていない。

サンチェス(Pedro Sánchez)国防相は7日の声明で、「100人以上の警察官がこの襲撃の黒幕を追跡している」と述べていた。

ウリベ氏は野党・民主中道党に属し、昨年10月に大統領選に出馬する意向を示していた。

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