コロンビア元大統領、暗殺された上院議員に哀悼の意示す
ウリベ元大統領はボゴタの選挙集会で演説。ウリベ氏に哀悼の意を表し、平和のために働き続けると誓った。
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南米コロンビアのウリベ(Álvaro Uribe)元大統領は23日、今月逝去したミゲル・ウリベ(Miguel Uribe、39歳)上院議員に哀悼の意を表し、全国で暴力が急増する中、より強力な治安対策の策定を呼びかけた。
ウリベ氏は6月7日、首都ボゴタ市内での選挙活動中に銃撃され、頭に2発、膝に1発の銃弾を受け、市内の病院で治療を受けていたが、8月11日早朝に息を引きとった。
2人は血縁関係はないが、同じ政党に所属している。
ウリベ元大統領はボゴタの選挙集会で演説。ウリベ氏に哀悼の意を表し、平和のために働き続けると誓った。
地元メディアによると、警察は200人態勢で警備に当たり、周辺の道路も封鎖。ドローンを飛ばし、周辺の建物にはライフルを持った機動隊員が配備された。
ウリベ元大統領は「ウリベ氏がこのような警備を受けていれば、殺害されることはなかった」と述べた。
またウリベ元大統領は同国の治安が悪化していると指摘。現職のペトロ(Gustavo Petro)大統領とその政策を暗に批判した。
検察は銃撃に関与した6人を起訴。その一方で捜査に協力していた未成年者が拘置所から脱走している。
起訴された人物の中には首謀者に近いとされる男も含まれている。地元メディアは警察筋の話しとして、「この男は麻薬カルテルの指示を受けてウリベ氏の暗殺を計画し、実行犯の少年(15歳)に拳銃を渡した」と伝えている。
この少年は警察の取り調べに対し、麻薬カルテルの指示を受け発砲したと供述したとされる。
ウリベ氏は野党・民主中道党所属し、来年の大統領選への出馬を表明していた。
22年に就任したペトロ氏は内戦終結に向け、左翼ゲリラとの和平交渉をまとめ、平和をもたらすと誓ったが、治安は改善するどころか悪化しているように見える。
ウリベ氏はペトロ政権の安全保障戦略、60年に及ぶ内戦を終結させるための和平交渉が失敗に終わったと批判する右派議員のひとりであった。
ボゴタの地方裁判所は今月初め、証人買収と収賄の罪でウリベ元大統領に12年の自宅軟禁を言い渡したが、最高裁判所は今週初め、この自宅軟禁命令を解除するよう命じた。
北西部アンティオキア州では21日、コカの栽培地を根絶するため人員を輸送中だったヘリコプターが撃墜され、13人の警察官が死亡。西部の都市カリでも同日、軍の航空学校近くで爆発物を積んだ車が爆発し、6人が死亡、70人以上が負傷した。