コロンビア最大の左翼ゲリラが「国民合意」呼びかけ、米国の圧力受け
ELNは1960年代に学生や労働組合指導者らを中心に結成され、キューバ革命から影響を受けた左翼ゲリラとして活動を続けてきた。
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コロンビア最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」が12日、「国民合意」を呼びかけ、米国のベネズエラ介入を背景に政治的対話の必要性を主張した。
ELNはX(旧ツイッター)への投稿で、今後予定される選挙後、新政権と協力して貧困対策や環境保護、地方の麻薬取引の克服に向けた合意形成を目指す意向を示した。
この呼びかけは、同組織に対するペトロ政権並びに米国の圧力が強まる中でなされたものだ。米国は今月初め、ベネズエラの独裁者マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領を奇襲作戦で拘束し、麻薬取引容疑で米国に移送した。
起訴状ではマドゥロがベネズエラ領内でELNに保護を提供し、コカイン密輸に関与していたとされる。これを受けて、コロンビアと米国はELNに対し共同作戦の実施を検討しているという報道もある。
ELNは声明で、こうした政治・軍事的圧力の中でも対話による解決を模索する姿勢を打ち出したが、政府側との隔たりは依然として大きい。ペトロ(Gustavo Petro)大統領はELNを「ゲリラ戦士の衣をまとった麻薬密売人」と非難しており、麻薬取引や未成年者の勧誘をやめるべきだと強調している。また、ELNがベネズエラ国内のキャンプを拠点として利用することについてもやめるよう求め、応じない場合は米国やベネズエラ政府との「共同作戦」も辞さないとの立場を示した。
コロンビア政府は昨年、ELNとの和平交渉を停止している。これはELNが北部カタトゥンボで攻勢を強め、5万人以上の市民が避難を余儀なくされたことが背景にある。和平交渉の中断は両者の信頼関係に重大な影を落とし、ELNと政府との関係は緊張したままだ。
ELNは1960年代に学生や労働組合指導者らを中心に結成され、キューバ革命から影響を受けた左翼ゲリラとして活動を続けてきた。現在、コロンビアとベネズエラ両国で約5000人の戦闘員を有しているとされる。
専門家はELNの「国民合意」呼びかけが政治的圧力の高まりや軍事行動への懸念に対する戦略の一環だとみている。しかし、政府側がこれをどの程度真剣な和平の意思表示と受け止めるかは不透明だ。特に米国とコロンビアが反乱軍への取り締まりを強化している現状では、対話の再開に向けた具体的な進展は見えにくい。
このような情勢下、ELNが求める「国民合意」が現実の政治プロセスにどのような影響を与えるかは、今後の選挙や国際的な外交動向とも密接に関わる可能性がある。国内外の関係者は、地域の安定化と治安改善への道筋を慎重に見極める必要がある。
