コロンビア大統領、反政府ゲリラの提案受け入れ、調査委員会設置へ
ELNは麻薬取引との関係を巡って長年疑惑が持たれており、今回の提案は同組織自身の関与を検証するためのものだとしている。
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コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領は15日、国内最大の反政府ゲリラである「民族解放軍(ELN)」が提案した独立調査委員会の設置を受け入れる意向を表明した。ELNは麻薬取引との関係を巡って長年疑惑が持たれており、今回の提案は同組織自身の関与を検証するためのものだとしている。
この提案は1月20日にELNの最高司令官ガルシア(Antonio García)氏が公開した映像で示されたもので、ガルシア氏は同組織がコカイン取引から「税金」を徴収しているものの、自らが麻薬の流通や製造に直接関与している事実はないと主張した。またガルシア氏はELNは麻薬取引に関与していないと述べ、独立した委員会による検証を政府に求めた。
これに対しペトロ氏は15日、X(旧ツイッター)への投稿でこの提案を受け入れると表明した。ペトロ氏は委員会について、政府から独立した科学的機関であることを条件とし、調査結果を国連に報告すべきと述べた。またペトロはELNに対し、紛争で被害が大きい北東部カタトゥンボでのコカ栽培転換策を支持するよう求めた。
ペトロ氏はこれまでELNが麻薬取引で利益を得ているとして、「ゲリラを装った麻薬密売人」と強く非難してきた。ELNとの和平交渉はペトロ政権初期に進展したものの、同組織がカタトゥンボで展開した攻撃により多数の死者と5万人を超える避難民が発生し、昨年頓挫していた。
ELNは1960年代に結成され、現在はコロンビア国内および隣国ベネズエラで約5000人の戦闘員を抱えている。コロンビア政府との和平交渉は長年にわたり断続的に行われてきたが、麻薬取引が主要な障害となってきた。今回の独立調査委員会設置の受け入れは、和平プロセス再開に向けた重要な一歩となる可能性がある。
政府はELNが近年、FARC(コロンビア革命軍)の解散後に生じた権力空白を埋め、国境地域の農村部で影響力を強めていると指摘している。これら地域は従来から麻薬生産と密接な関係があり、治安維持と農業転換の課題が山積している。ペトロ氏は和平交渉を再開する条件として、ELNが麻薬取引を放棄することを繰り返し強調している。
独立調査委員会の実現に向け、具体的な運営体制や参加機関の選定が今後議論される見込みで、国際社会も注目する動きとなっている。政府が国連を巻き込む方針を示したことから、国際的な監視と支援の下での検証が進む可能性がある。ELN側がこの機会をどのように捉え、和平交渉に向けた前向きな姿勢を示すかが今後の鍵となる。
