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コロンビア政府、左翼ゲリラELNの「武装ストライキ」を非難

ELNは1960年代から活動するゲリラ組織で、約6000人の戦闘員を有するとされる。
コロンビアの左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」の戦闘員(Getty Images)

コロンビア政府が進める和平交渉の代表団は15日、同国最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」が実施している「武装ストライキ」を強く非難する声明を発表した。

ELNは米国によるカリブ海域での軍事プレゼンス強化に抗議して、農村部を中心に住民の移動や商業活動を制限する行動を取っているが、政府側はこれが一般市民に大きな被害を与えているとして批判している。

声明によると、ELNの武装ストは同組織が影響力を持つ農村地域に影響を及ぼすものであり、学校が閉鎖され、商店や公共交通機関も停止し、反抗する住民には脅迫が行われているという。

政府代表団は「米国政府の行動に抗議するためにコミュニティを対象とする抗議行動には全く意味がない」と述べ、住民を巻き込む形の武装行動を否定した。

ELNは最近、米軍がカリブ海で海軍力を増強していることに反発し、武装ストを決行すると発表。声明で、米国の行動を「ネオコロニアルな計画」と表現し、ラテンアメリカの天然資源を略奪する試みとして非難した。

この声明は米国がベネズエラ沖で制裁対象の石油タンカーを拿捕した翌日に発表されたもので、独裁的なマドゥロ政権への圧力を強めている状況と重なっている。

ストは現地時間17日の早朝まで続く予定とされているが、その間にELN戦闘員が軍基地や警察署を攻撃したとの報告もある。政府の交渉担当は声明で、警察署への攻撃の際に救急車の運転手が死亡したと明らかにした。

ELNは1960年代から活動するゲリラ組織で、約6000人の戦闘員を有するとされる。違法な金採掘や麻薬取引に関与しているとみられ、近年はベネズエラにも勢力を広げていると伝えられている。

政府とELNの和平交渉は今年1月、ELNがテロ攻撃を繰り返し、多数の住民が避難する事態となったことを受けて中断されたままである。

政府は過去数年にわたり、ELNを含む複数の反政府勢力との和平を模索してきた。ペトロ政権は和平を「完全な平和」の実現と位置付け、停戦を和平交渉のインセンティブとして提供したが、野党はELNなどのゲリラが勢力を回復させていると批判している。

今回のELNによる武装ストとそれに対する政府の強い非難は和平プロセスの困難さを改めて浮き彫りにした。農村住民を巻き込む形での武装行動が続く中、コロンビア政府は治安対策を強化しつつ、ELNとの対話再開の道を探る構えだ。

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