コロンビア・エクアドル国境で「貿易戦争」に抗議するデモ
デモ隊は両国の経済に大きな影響を与えている関税引き上げ措置に反対し、政府に対話の再開と関税撤廃を求めた。
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コロンビアとエクアドルの商人やトラック運転手が3日、両国間で激化している貿易戦争に抗議するため、国境の検問所に集結した。デモ隊は両国の経済に大きな影響を与えている関税引き上げ措置に反対し、政府に対話の再開と関税撤廃を求めた。
参加者たちはエクアドルとコロンビアが相互に課している30%の関税が、国境地域の経済を冷え込ませ、エネルギー企業にも打撃を与えると警告。エクアドル運輸労働者協会の会長はAP通信の取材に対し、「関税は危機を生むものであり、経済を助けるものではない」と述べ、両首脳に対話の枠組みを構築するよう訴えた。
今回の貿易戦争の発端はエクアドルのノボア(Daniel Noboa)大統領がコロンビア政府に対し、国境を越えるコカインの流入阻止が不十分だとして、多数のコロンビア製品に30%の関税を課したことにある。ノボア氏はこの措置を「安全保障税」と表現し、コロンビアが麻薬カルテルへの有効な対策を講じるまで関税を維持すると発信している。
コロンビア側はこれに対抗し、米や自動車部品など多数のエクアドル製品にも同率の関税を課すとともに、電力販売を停止する意向を表明した。エクアドルは水力発電に大きく依存しており、2024年には深刻な停電を経験しているため、電力供給の停止は国民生活にも波及する懸念がある。相互関税は2026年2月1日に発効した。
両国は互いに主要な貿易相手国という関係ではなく、2025年の統計では総額約23億ドル規模の貿易が行われ、そのうちコロンビアからエクアドルへの輸出が約17億ドルを占めた。だが、両国間の貿易は国境都市の経済にとって重要であり、コロンビア側の国境都市では貿易が同市経済の38%を占めているとの指摘もある。
一部の批評家はノボア氏が自国の治安や経済政策の不手際を覆い隠すため、貿易戦争を仕掛けたとの見方を示している。エクアドル国内では2025年の殺人発生率が人口10万人当たり50件と近年で最悪を記録し、カルテル間抗争が港湾地域を中心に激化している現状がある。元来比較的治安の良かった同国はコロンビアやペルーで生産されたコカインの主要な中継地点となっており、治安悪化が深刻な政治課題となっている。
デモ隊は両政府に対し、現状の関税措置を見直し、緊張緩和のための対話を開始するよう圧力をかける狙いがある。商人や運送業者は国境地帯の経済を守るとともに、両国間の協力関係回復を強く求めている。
