◎政府は先月末、ディーゼル燃料の価格を50セント値上げし、1ガロン(3.8リットル)あたり約2.90ドルに設定した。
コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領は6日、ディーゼル燃料の補助金廃止計画に抗議するトラック運転手の労働組合と政府が合意に達し、全国各地で相次いだ道路封鎖が解除されると発表した。
政府は先月末、ディーゼル燃料の価格を50セント値上げし、1ガロン(3.8リットル)あたり約2.90ドルに設定した。
トラック労組を含む全国の労働組合はこれに猛反発し、各地で抗議デモを開始。3日には首都ボゴタやメデジンなどの主要都市で道路封鎖が行われ、卸売市場に到着する食料の量が激減した。
ペトロ氏によると、トラック労組は道路封鎖を解除することで合意したという。
ペトロ氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「政府はトラック運転手によるストを可能な限り早く、最善の方法で解決した」と書き込んだが、合意の詳細は明らかにしなかった。
地元メディアによると、政府は補助金の削減スピードを緩やかにすることを約束したという。
ペトロ氏は増大する財政赤字を削減し、より多くの予算を教育や医療に振り向けるために、補助金を段階的に廃止する必要があると訴えている。
トラック労組はこれを「死刑宣告」と呼び、多くの中小運送会社が倒産すると警告した。
ディーゼル燃料への補助金は数十年にわたって実施されてきた。歴代政府はその廃止が大規模な抗議や食料価格の上昇につながることを恐れ、これを維持してきた。
財務省によると、毎月約2億4000万ドル(約350億円)もの予算がディーゼル燃料補助金に計上されているという。年間の支出額は30億ドル近くにおよぶ。
地元メディアによると、デモは3日にピークを迎え、120カ所以上でトラックによる道路封鎖が確認されたという。このデモで都市部の交通は麻痺し、多くの市民が徒歩や自転車での移動を余儀なくされた。