▽ELNは1960年代に学生、労働組合、神父らによって結成され、キューバ革命からインスピレーションを得たとされる。
コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領は17日、同国最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」が戦争犯罪を犯したと非難し、和平交渉を中断すると発表した。
ペトロ氏はSNSに声明を投稿。「ELNは和平を求めていない」と断じた。
地元メディアによると、ELNは16日、コロンビア革命軍(FARC)の元幹部とみられる少なくとも5人を殺害したという。
またELNは政府と別の和平交渉を行っている左翼ゲリラ「FARC-EMC」に対しても攻撃を開始した。
この戦闘により多くの市民が避難を余儀なくされ、国連も非難声明を出した。
ELNは1960年代に学生、労働組合、神父らによって結成され、キューバ革命からインスピレーションを得たとされる。構成員数は2500~5000人と推定され、ベネズエラでも活動し、金鉱山での違法採掘、麻薬密売、誘拐などで利益を上げている。
政府とELNの和平交渉は22年に再開されたものの、何度も中断している。昨年9月にはベネズエラ国境付近でELNの爆弾攻撃により陸軍兵士2人が死亡、29人が負傷。政府は翌日、交渉を中断した。
また、政府がELNの分派と個別交渉を開始した際にも交渉が停滞。ELNは誘拐、石油パイプラインの爆破、治安部隊への攻撃を再開し、多くの死傷者が出た。
元左翼ゲリラのペトロ氏は政府とFARCが2016年に結んだ和平協定に参加していないゲリラや過激派との交渉を進めている。