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▽ペトロ氏はカタトゥンボに対してのみ、議会の承認が必要な命令(夜間外出禁止令や警察による取り締まり強化など)を単独で下せるようになる。
2025年1月23日/コロンビア、北部カタトゥンボ、陸軍の兵士(Getty Images/AFP通信)s

コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領は24日、左翼ゲリラによる抗争が激化している北部カタトゥンボの治安を回復する取り組みのひとつとして、自身の権限を一部強化する政令に署名した。

これにより、ペトロ氏はカタトゥンボに対してのみ、議会の承認が必要な命令(夜間外出禁止令や警察による取り締まり強化など)を単独で下せるようになる。期間は270日間、カタトゥンボ以外の地域には適用されない。

カタトゥンボでは同国最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」とコロンビア革命軍(FARC)の分派である左翼ゲリラ「FARC-EMC」との戦闘が激化し、3万2000人以上が避難を余儀なくされている。

この戦闘により、過去2週間で少なくとも80人が死亡、3万2000人近くが避難を余儀なくされ、その多くが隣国ベネズエラに逃れたとされる。

地元メディアによると、ELNの戦闘員はFARC-EMC寄りの集落を次々襲撃し、住民を拘束したり、その場で処刑したこともあったという。

ELNは1960年代に学生、労働組合、神父らによって結成され、キューバ革命からインスピレーションを得たとされる。構成員数は約6000人と推定され、ベネズエラでも活動し、金鉱山での違法採掘、麻薬密売、誘拐などで利益を上げている。

ELNはカタトゥンボの複数カ所でFARC-EMCと交戦中とみられる。両組織は何年も前からコカの葉の主要生産地であるカタトゥンボの支配権をめぐって争ってきた。

カタトゥンボの交戦地帯には無数の地雷やIED(即席爆発装置)が仕掛けられているため、陸軍でも簡単に近づくことはできない。

政府はカタトゥンボに1万人規模の部隊を展開し、ELNの支配地域を取り囲んでいる。

カタトゥンボの人口は約30万人。コロンビアにおけるコカ栽培の15%を占めている。

ELNとFARC-EMCはこの地域と麻薬密売ルートの支配権をめぐって長年争ってきたが、最近は休戦していた。

しかし、ELNは今月、一部の市民がFARC-EMCと協力してコカを密売していると主張。攻撃を開始した。

ペトロ氏は20日、ELNとの和平交渉が決裂したと発表。「ELNは戦争への道を選んだ」と非難。21日に非常事態宣言を出した。

ELNはペトロ氏の主張を否定。「FARC-EMCが民間人を虐殺しているため、それを防ぐために戦っている」と主張した。

コロンビア内戦の犠牲者は45万人以上と推定されており、その大半が1985年~2018年の戦闘で死亡したとされる。

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