◎コロンビア内戦の犠牲者は45万人以上と推定されており、その大半が1985年~2018年の戦闘で死亡した。
コロンビア政府は4日、国内最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」の代表と会談し、和平交渉を再開すると発表した。
両陣営はベネズエラの首都カラカスで会談し、共同声明で「11月から和平交渉を開始する」と明らかにした。
また、ノルウェー、ベネズエラ、キューバが交渉を仲介し、「和平には市民社会グループの参加が不可欠である」と強調した。
交渉場所は明らかにされていないが、ELNの報道官は仲介国のノルウェー、ベネズエラ、キューバで開催されると示唆している。
ELNは1960年代に学生、労働組合、神父らによって結成され、キューバ革命からインスピレーションを得たとされる。構成員数は約4000人と推定され、ベネズエラでも活動し、金鉱山での違法採掘や麻薬密売で利益を上げているようだ。
2016年にコロンビア政府とコロンビア革命軍(FARC)が和平協定に合意し、ELNは国内で活動する最大のゲリラになった。それ以来、ELNはFARCの支配下にあった地域で活動を活発化させ、身代金目的の誘拐や石油インフラに攻撃を仕掛けている。米国とEUはELNをテロ組織に指定している。
8月に就任した元左翼ゲリラのペトロ(Gustavo Petro)大統領は同国初の左派指導者としてELNをはじめとするゲリラとの和平と内戦の終結を公約に掲げている。
政府は声明の中で、「ELNは最近、人質を解放し、コロンビア軍に対する攻撃を抑えている」と説明した。
一方、ELNは和平と引き換えに何を要求するかは明らかにしていない。しかし、ELNの報道官は和平と引き換えに「政治的・経済的変化を求める」と示唆している。
ELNは声明で、「不平等と民主主義の欠如を含む内戦の根本原因を追究し、改善する必要がある」と述べている。
政府は2016年のFARCとの和平合意で、議会の10議席と独自の政党を結成できる権利、そして指導者に恩赦を与えた。また政府は和平交渉の一環として、FARCが支配していた地域の権利を住民に与え、農村開発プロジェクトを行うことに同意している。
コロンビア内戦の犠牲者は45万人以上と推定されており、その大半が1985年~2018年の戦闘で死亡した。