コロンビアの金鉱山で崩落事故、23人閉じ込められる、救出へ
事故は北西部アンティオキア州の郊外にある金鉱山内部で22日に発生。少なくとも23人の鉱夫が閉じ込められたとみられ、救助隊が救助作業を進めている。
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南米コロンビアの金鉱山で崩落事故が発生し、20人以上が鉱山内で立ち往生している。地元当局が23日、明らかにした。
それによると、事故は北西部アンティオキア州の郊外にある金鉱山内部で22日に発生。少なくとも23人の鉱夫が閉じ込められたとみられ、救助隊が救助作業を進めている。
鉱山の運営会社は声明で、主坑道が22日に崩落し、少なくとも23人の従業員が閉じ込められたと明らかにした。
AP通信は関係筋の話しとして、「救助隊は閉じ込められた鉱夫たちと連絡を取り合い、わずかな隙間から食料と水を提供し、土砂の撤去作業に当たっている」と報じた。
中央政府も声明を出し、「約25人の鉱山労働者が身動きが取れなくなったと報告を受けている」と述べた。
地元メディアによると、この鉱山では約60人が働いているという。
コロンビアの鉱業は同国経済における重要な柱の一つである。その中でも金の生産は歴史的・経済的に大きな役割を果たしてきた。コロンビアにおける金の採掘は、先コロンブス時代から存在しており、スペイン植民地時代には大規模な金採掘が行われた。現在でも金は主要な輸出資源の一つであり、国内総生産(GDP)への寄与も無視できない。
コロンビアの金生産は主に二つの形態で行われている。ひとつは大規模鉱山での組織的な採掘であり、もうひとつは小規模・非公式な採掘、いわゆるアーティザナル鉱山である。大規模鉱山では最新の採掘技術と設備が導入され、生産効率が高い。代表的な鉱山にはボヤカ州のムイネル鉱山やカルダス州のマリャリ鉱山などがあり、これらは国際的な鉱業企業によって運営されている。
一方で小規模鉱山は、地方経済に雇用を提供する反面、環境破壊や違法採掘の問題が指摘されている。特にアマゾン地域や太平洋沿岸の熱帯雨林地帯では、違法な金採掘が水銀汚染や森林破壊を引き起こしている。
コロンビアの年間金生産量は世界全体では中規模に位置する。近年の統計によると、年間約30トン前後の金が採掘され、その多くは国内市場および国際市場に供給されている。コロンビア政府は鉱業セクターの規制強化や合法的な採掘の促進を通じて、税収の確保と環境保護を両立させる政策を進めている。また、金の価格が国際市場で上昇すると、違法採掘の増加や地域紛争のリスクも高まるため、安定的な生産体制の確立が課題となっている。
さらに、コロンビアでは金採掘が社会的・文化的にも影響を及ぼしている。金鉱山周辺地域では、採掘に従事する労働者やその家族の生活が鉱業活動に大きく依存しており、雇用や収入の面で地域社会に重要な役割を果たしている。しかし同時に、労働環境の安全性や健康被害、地域コミュニティとの対立といった課題も存在する。政府や国際機関は、持続可能な鉱業の推進と、地域住民の権利保護に向けた取り組みを強化している。