◎60年近く続くコロンビア内戦の犠牲者は45万人以上と推定されている。
コロンビアの地元メディアは2日、西部ウイラ州で警察車両が爆破され、警察官8人が死亡したと報じた。
国営テレビは警察筋の話を引用し、「何者かが車両に爆発物を投げつけた」と報じている。
爆弾の種類は明らかにされていないが、国営テレビは「ロケットランチャーではなく、手りゅう弾やプラスチック爆弾の類とみられる」と報じた。
コロンビア内戦の終結を公約に掲げるペトロ(Gustavo Petro)大統領はツイッターに声明を投稿し、攻撃を厳しく非難した。
またペトロ氏は犠牲者に哀悼の意を表し、遺族との連帯を示したうえで、国民に暴力を否定するよう呼びかけた。「ウイラ州の爆弾攻撃は平和に対する挑戦であり、当局に徹底捜査を命じました...」
反政府ゲリラ「4月19日運動(M-19)」の元戦闘員であるペトロ氏は先月、左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」との和平交渉を再開した。
コロンビア革命軍(FARC)は2016年に政府と和平協定を締結したが、ELNを含む左翼ゲリラや右派の準軍組織は軍と警察に対する攻撃を続けている。
ペトロ氏は内戦の完全終結を目指し、戦闘ではなく交渉で問題を解決すると約束している。
前任のドゥケ(Ivan Duque)前大統領は首都ボゴタの警察学校で発生した自動車爆弾テロを受け、ELNとの和平交渉を打ち切った。この攻撃では士官候補生22人が死亡している。
ペトロ氏は2日の攻撃に関与した組織には言及しなかったが、国営テレビは治安筋の話を引用し、「FARCと対立する組織が関与した可能性が高い」と報じている。
一部の専門家は、「これらの反体制派は左翼ゲリラの指導者であったペトロ氏が政府に寝返ったと考え、軍や警察だけでなく政府寄りのゲリラにも攻撃を仕掛ける可能性がある」と警告している。
政府の推計によると、反体制派の戦闘員は2400人にのぼり、警察の機動隊が使用する防具や銃器が流通しているという。
一部の反体制派は麻薬カルテルと連携したり、自ら麻薬を密売して利益を上げるなどして銃火器を購入しているとみられる。
報道によると、ベネズエラ国境付近で反体制派と政府寄りの左翼ゲリラの戦闘が続いているという。警察は最近、この戦闘で反体制派の著名な司令官数人が死亡したと報告した。
60年近く続く内戦の犠牲者は45万人以上と推定されている。