コロンビア政府、麻薬カルテル「ガルフ・クラン」との和平交渉再開へ
ガルフ・クランは約9000人の構成員を抱える組織で、コロンビア北部の複数の地域を支配し、麻薬密輸、恐喝、強盗、人身売買などを生業にしているとされる。
.jpg)
コロンビア政府は17日、同国最大の悪名高い麻薬カルテル「ガルフ・クラン(クラン・デル・ゴルフォ、CDG)」との和平交渉を再開すると発表した。交渉は今月初めに一時中断していたが、政府と組織側双方の代表団がカトリック教会やカタール、スペイン、ノルウェー、スイス政府の仲介による会合を経て対話を再開することで合意し、中断は克服されたとする共同声明が出された。
和平交渉は昨年、カタールで開始され、政府は3つの自治体に「特別地域」を設けることでガルフ・クランの構成員に対する起訴を交渉期間中に停止することを決めていた。この特別地域は来月から機能し、交渉を進めるための法的「安全地帯」として扱われる予定である。
ガルフ・クランは約9000人の構成員を抱える組織で、コロンビア北部の複数の地域を支配し、麻薬密輸、恐喝、強盗、人身売買などを生業にしているとされる。政府はガルフ・クランを麻薬密売組織と見なしている一方で、同組織は政治的不満を抱える武装勢力であると主張している。米国務省は昨年、ガルフ・クランを外国テロ組織に指定した。
交渉が中断したのは数週間前で、コロンビア政府が米国と協力してガルフ・クラン司令官の「無力化」を図る意思を示したことがきっかけだった。この声明はコロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領とトランプ(Donald Trump)米大統領がホワイトハウスで会談した後に出されたものである。政府が指導者の逮捕や無力化を目指す方針を示したため、組織側は交渉の継続に懸念を示していた。
ただし、双方の声明では司令官に対する作戦が停止したたかどうかは明確にされておらず、和平プロセスを進めるための「合意」が成立したとのみ記されている。政府は引き続き法と治安の枠組みの中で進展を模索する考えを示している。
コロンビアでは長年にわたり政府とさまざまなゲリラ勢力との間で和平交渉が行われてきたが、成果は限定的だ。2016年には政府とFARC(コロンビア革命軍)が歴史的な和平合意に達したものの、他のゲリラや麻薬組織は武装を解除せず、治安問題は依然として国の重要な課題となっている。和平交渉の再開は政府の「全面的和解」戦略の一環と位置付けられており、これまでの政策の延長線にある。
ガルフ・クランのような組織との対話は国際社会や国内でも意見が分かれている。支持者は対話を通じて暴力を抑制し、平和構築を進める機会になると主張する一方、反対派は法執行を弱める恐れや組織の正当性を認めることにつながるとの懸念を示している。ペトロ政権はこのプロセスを通じて長期的な治安改善と社会統合を目指す姿勢を強調しているが、実際に和平が成立するかどうかは依然として不透明なままである。
