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コロンビア、対ドローンシールド導入へ、17億ドル規模

国防省によると、この計画には総額約16億8000万ドル(約2657億円)が投じられる予定。今月第1段階として約2億7000万ドルの予算が承認された。
米軍のドローン「MQ9リーパー」(Getty Images)

コロンビア政府は16日、武装勢力のドローンに対抗するための防衛システム「対ドローンシールド」を導入すると発表した。国防省によると、この計画には総額約16億8000万ドル(約2657億円)が投じられる予定。今月第1段階として約2億7000万ドルの予算が承認された。

このプロジェクトは近年国内で急増している爆発物搭載ドローンによる攻撃を抑止・無力化することを目的としている。統計によると、コロンビアでは2024年から2025年にかけて合計264件のドローン攻撃が発生し、主に密林地帯や山岳地帯のコカ栽培地域で確認された。これらの攻撃は左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」や旧ゲリラ組織「コロンビア革命軍(FARC)」の一部派閥が関与したとみられている。

ドローン攻撃による被害は深刻で、兵士15人が死亡、153人が負傷したと政府統計が示している。ドローンを利用した攻撃は地形が複雑な地域で増加傾向にあり、従来の地上部隊中心の軍事対策では十分に対処できないという問題が浮き彫りになっていた。

サンチェス(Pedro Sánchez)国防相は声明で、「コロンビアは国家安全保障と防衛に関する、最も大胆かつ革新的な戦略の一つに着手している」と述べた。またサンチェス氏は、対ドローンシールドの開発により、ドローンへの対応力が劇的に強化されると強調した。政府は首都ボゴタでこの計画に関心を持つ各国・企業を対象とする会合を開催したが、具体的な協力内容については現時点で公表していない。

対ドローンシールドはレーダー、電子戦装置、迎撃システムなどを統合し、敵対勢力のドローンを早期に探知・追跡・無力化することを想定しているとみられる。専門家によると、こうした統合型防御システムの導入は、ドローン技術がテロ・武装勢力にも普及する現代の治安環境において重要な意味を持つ。ただし、実際の運用開始までには技術調達や訓練、法整備など多くの課題が残る。

コロンビアは過去数十年に及ぶ内戦を通じて軍事・治安対策を進めてきたが、近年はゲリラや犯罪組織がドローンを兵器化するケースが増え、従来の軍装備だけでは対応が困難になっていた。今回の計画はこうした非対称的脅威への対策強化を図るものであり、軍事技術の近代化と国家防衛体制の転換を象徴する取り組みとなる。

コロンビアは昨年11月、スウェーデンの防衛企業SAABと総額31億ユーロに上る戦闘機購入契約を結ぶなど、防衛能力全般の強化を進めている。これらの動きは、地域の安全保障環境が複雑化する中での戦力整備の一環とみられている。

対ドローンシールドの導入は同国が直面する新たな安全保障上の課題への対応と、長年続く紛争の収束に向けた重要な一手として注目される。

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